エクス・リブリス<br> 酸っぱいブドウ/はりねずみ

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エクス・リブリス
酸っぱいブドウ/はりねずみ

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090558
  • NDC分類 929.763
  • Cコード C0097

出版社内容情報

卓越したユーモアと奇想、殺伐とした日常を切り取る鋭い眼差し。現代シリア文学を代表する作家による短篇集と中篇を収録。本邦初訳ユーモアと奇想に満ちた中短篇集
 暴力と抑圧がはびこる架空の街区を舞台に、現代シリア文学の重鎮が描く短篇集と中篇の二作を収録。
『酸っぱいブドウ』
「短剣に斃る」──強欲で乱暴で慎みを欠き、くせ者揃いの住民で知られるクワイク街区。そこに暮らす片耳の男ヒドゥル・アッルーンは、自分の伴侶のように大事にしていた短剣を警察に没収されてしまう。
「隘路の外衣」──クワイク街区を抜けて近道しようとしたムフスィン・ファーイルは、黒い外衣をまとった女に道を訊かれる。知らないと答えると、突然その女の兄を名乗る男が現われ、因縁をつけられる。
「ハッラーウの末路」──床屋のサイード・ハッラーウは店を閉め、謎の黄色い錠剤を売っている。錠剤には魔法のような効能があり、街区に住む男たちは次々と中毒に陥るが、その成分や製造方法は誰にもわからない。
「八時」──ハナーン・ムルキーは一時間刻みで約束をこなす。正午には公園、一時にはある家、二時にはカフェ、三時には映画館、五時には婦人服店、六時にはレストランへ……多忙な娘が八時に帰宅するまでの半日を追う。
『はりねずみ』
 両親と兄と暮らす六歳の「僕」。シリアの子どもの殺伐とした日常を、コミカルかつシニカルに語る。

ザカリーヤー・ターミル[ターミル]
著・文・その他

柳谷 あゆみ[ヤナギヤ アユミ]
翻訳

内容説明

『酸っぱいブドウ』―「短剣に斃る」:強欲で乱暴で慎しみを欠き、くせ者揃いの住民で知られるクワイク街区。そこに暮らす片耳の男ヒドゥル・アッルーンは、自分の伴侶のように大事にしていた短剣を警察に没収されてしまう。「隘路の外衣」:クワイク街区を抜けて近道しようとしたムフスィン・ファーイルは、黒い外衣をまとった女に道を訊かれる。知らないと答えると、突然その女の兄を名乗る男に因縁をつけられる。「ハッラーウの末路」:床屋のサイード・ハッラーウは店を閉め、謎の黄色い錠剤を売っている。錠剤には魔法のような効能があり、街区に住む男たちは次々と中毒に陥るが、その成分や製造方法は誰にもわからない。「八時」:ハナーン・ムルキーは一時間刻みで約束をこなす。正午には公園、一時にはある家、二時にはカフェ、三時には映画館、五時には婦人服店、六時にはレストランへ…多忙な娘ハナーンが八時に帰宅するまでの半日を追う。『はりねずみ』―両親と兄と暮らす6歳の「僕」は、大人にいたずらを仕掛け、質問攻めにして困らせるのが大好き。シリアの子どもの殺伐とした日常をコミカルかつシニカルに語る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

85
人間の営み、それに付随する悲哀と煩悩を寓話化した「酸っぱいブドウ」。そこには殺しやレイプ、大したことがない理由から暴力を振るわれる理不尽さがあり、読んでいて辛かった。同時に「これはシリアの現状を映し出しているのではないか」という思いがどんどん、胸の中で膨らんできて息苦しさを覚える。死者の視点からの語りも死んでも不条理に晒される虚しさに絡め取られる。「はりねずみ」は皆からも鼻摘み者にされる子どもの瑞々しくも奇妙な視点に懐かしさと微笑ましさを覚える。しかし、ジワジワと募る哀しみと涙も流せないラストに項垂れる。2018/04/27

りつこ

38
シリアでは言論の自由が厳しく制限されていることを受けてか、寓話的な物語が多い。しかし描かれるのは徹底した残酷性、暴力性だ。命はとことん軽んじられ、昨日の加害者が今日の被害者になり、誰かを殺した誰かはまた違う誰かに殺されていく。特に「酸っぱいブドウ」の方はそういう短編が次から次へと畳み掛けるように続いて行くので読んでいて何度かめげそうになった。「はりねずみ」は主人公が幼い子どもなため、一見無邪気な物語に見えるのだがやはりそこにも暴力、絶望の陰がちらつく。自国ではどのように読まれているのかが気になる。2018/04/30

ヘラジカ

29
『酸っぱいブドウ』は、昨年同レーベルから刊行されたイラク文学の『死体展覧会』に比肩するほどの、暴力と不条理が横溢する世界を描いた掌編集。タイトルからしてかの寓話を現代社会で再話する試みかと想像していたが全然違った。簡素でユーモラスな文体ながら、女性の社会的地位と人間の命の安さが窺える苛烈な物語群に打ちのめされた。僅か40日で書かれたことを考慮せずとも天才的な作家であると断言できるだろう。最序盤は良かった話を数えていたが途中で数え切れなくなって諦めた。感想は割愛するが『ハリネズミ』もすごく、すごく良かった。2018/03/03

TSUBASA

24
架空の街クワイクの住民たち。幻惑的で不条理な市井の人々の小話59編を描いた『酸っぱいブドウ』。家の壁や庭の樹、目に見えない妖精とお話をする僕。人間の友達もおらず、両親からも鼻つまみ者にされている僕の日常『はりねずみ』。馴染みの無いシリア文学。とりとめもない短い話が続く前者よりは無垢な子供が主人公で時に鋭く大人社会を諷刺する後者の方が面白かった。アラビア語は短い単語で多くの意味を含有していて日本語に置き換えるのが難しいとのこと。翻訳しきれない妙があるのだろうな。2018/04/28

空猫

22
架空の町が舞台、といってもあの国だとわかる、その日常を描いた短い話たち。皮肉に満ちた大人むけの寓話だとフィクションとしてはとても興味深いけれど。男たちは自らの、一族の面子を一番に考え、女を脳ミソが男の半分と卑下し、町にも学校にも家庭にも暴力が横行する様子にやはり、全てが架空とは思えず、薄ら寒くなってしまった。少年が主役の『はりねずみ』は不条理な世界で面白かった。2019/09/30

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