出版社内容情報
「ものを書くことは、盆栽の世話をすることに似ている」。創作と恋愛の不可能性をミニマルな文体で綴る珠玉の二篇。
【著者紹介】
1975年サンティアゴ生まれ。詩人として出発し、2006年、小説第一作『盆栽』でチリ批評家賞、チリ図書協会賞を受賞。第二作『木々の私生活』とともに国内外で高い評価を受ける。『盆栽』はチリで映画化され、今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品された。最新作は『家に戻る方法』(2011)。
内容説明
チリの首都サンティアゴに住む、作家志望の若者フリオ。学生時代、彼にはエミリアという恋人がいた。彼女と過ごした日々、二人が読んだ本の数々、現在フリオが書く小説「盆栽」の構想、そしてエミリアの死…メタフィクション的かつ斬新な語りと、生と死をめぐる即物的なまでの描写が胸を打つ(『盆栽』)。ある晩、絵画教室から戻らない妻ベロニカを待ちながら、幼い義理の娘ダニエラを寝かしつけるために自作の物語「木々の私生活」を語り聞かせる日曜作家のフリアン。妻は帰ってくるのか、こないのか。不意によみがえる過去の記憶と、彼と娘の未来が、一夜の凝縮した時間から広がっていく(『木々の私生活』)。樹木を共通のモチーフとして、創作と書物、失われた愛、不在と喪失の哀しみを濃密に浮かび上がらせる。深い余韻を残す、珠玉の二篇。
著者等紹介
サンブラ,アレハンドロ[サンブラ,アレハンドロ] [Zambra,Alejandro]
1975年、サンティアゴ生まれ。詩人、作家、批評家。10代のとき、エズラ・パウンド、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、マルセル・プルーストらに多大な影響を受ける。二冊の詩集を発表したのち、2006年、小説第一作『盆栽』が大きな反響を呼び、チリ批評家賞、チリ図書協会賞を受賞した
松本健二[マツモトケンジ]
1968年生。大阪大学言語文化研究科准教授。ラテンアメリカ文学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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