内容説明
元柳橋芸者ばかりが店子の貸家をいとなむ信兵衛が、若い囲い女と死んでいるのが見つかった。相対死か殺しか、北町奉行所定町廻りの喜平次は、覚山に疑念を持ちかける。一方、人気芸者友助に惚れている船頭の松吉は、落籍話を耳にしてすっかり落ちこむのだった。深川人情シリーズ第四弾!
著者等紹介
荒崎一海[アラサキカズミ]
1950年沖縄県生まれ。出版社勤務を経て、2005年に時代小説家としてデビュー。たしかな考証に裏打ちされたこまやかな江戸の描写に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
43
心中のように見える二つの死体。けれども心中する必然性がないということで定町廻り柴田は覚山の協力を得てひそかに探索する。だが探索中に次々と殺人が起きてしまって、読みながら「大丈夫かいな」と思ってしまった。相変わらず、なぜここまでと思うほどの細々とした描写が妙にクセになる作品。2019/10/09
おとん707
10
私が良く散歩をする小名木川が題名なので手に取った。この本も小名木川近くの古書店の店頭にあったもの。荒崎一海は初読。九頭竜覚山浮世綴シリーズの四。覚山は浪人で深川門前仲町の用心棒。いい年して女も知らず学究と剣に打ち込む堅物だったが覚山に惚れた美人芸者に押しかけ女房され、それも悪くないと落ち着く憎めない人物。北町奉行所定町廻り柴田喜平次に重宝され難事件に取り組む。登場人物の相関関係は複雑で一読では頭に入らない。話の展開も地味。だが苦労して最後まで読み進むと霧が晴れるように視界が開けた。読後感は悪くない。2025/05/24
ひさか
8
2019年9月講談社文庫刊。書下ろし。シリーズ4作目。覚山が樫の棒でポカポカとやっちゃうところが痛快。流れるように動くその様をよく書けるなぁと感心してしまいます。1冊を通して、ひとつの事件の謎を追いかけますが、これよりは、間に挟み込まれた浮世綴りの出来事の方がずっとずっと面白いです。2021/02/28
ニッキー
5
2年前になりました、前作を読んだのが。 しばらく、スウェーデン物にハマっているので、懐かしい江戸の香りを忘れていました。 芸者にメロメロにされた儒教の先生は腕が立つんでした。 また、探偵業にも長けていて、用心棒兼北町奉行所のおかかえどもある。2021/01/27
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- 和書
- 神は背番号に宿る