出版社内容情報
サッカーで言えば、互いにボールを蹴るだけでは試合を楽しむことはできない。決められたルールという共通理解があってはじめて、言葉や習慣が異なっても、試合が可能になる。これは言葉についても同じ。それぞれが何を根拠にし、そこからいかなる解釈や考察を行なったのかを明確にしていくことが大切になる。本書では、欧米の学校教育で指導されているこのルールという技術を、絵や本の読み方をとおして習得していく。『外国語で発想するための日本語レッスン』を改題。
内容説明
絵や小説を通して学ぶクリティカル・シンキング。
目次
第1章 外国語で発想するために必要な「読書技術」(欧米の「読書技術教育」ってどのようなもの?;日本の読書教育;欧米の読書技術教育の実例 ほか)
第2章 絵の分析(「絵の分析」とは?;「絵の分析」の例;「絵の分析」の方法 ほか)
第3章 本の読み方(物語の構造;「テクストの分析と解釈・批判」の方法;「テクストの分析と解釈・批判」をやってみよう)
著者等紹介
三森ゆりか[サンモリユリカ]
つくば言語技術教育研究所所長。東京都出身。中高時代の4年間を旧西ドイツで現地校に通う。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。丸紅(株)勤務後、上智大学文学研究科博士前期課程中退。1990年に「つくば言語技術教室」(現(有)つくば言語技術教育研究所)開設。研究所での生徒指導、教員養成の他、教育機関、スポーツ団体、企業等での指導経験多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たま
46
2023年9月の発行、図書館の新着棚で見つけて読んだが、『外国語で発想するための日本語レッスン』(2006)を改題したもので、『外国語を身につけるための日本語レッスン』(2003)の続編にあたる。ヨーロッパの言語(母語と外国語)教育の概略をまとめ、それにならって日本語で〈絵の分析〉〈テクストの分析と解釈・批判〉を例示している。普通のガイジンが一枚の絵、一本の映画について延々と展開するところ、日本語話者は「おもしろいね」くらいしか言葉がなくて会話が続かない。三森さんの提案はとても意義があるものだと思う。2023/11/24