日本語とにらめっこ―見えないぼくの学習奮闘記

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日本語とにらめっこ―見えないぼくの学習奮闘記

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784560088982
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

全盲の青年が日本語でエッセイを書くまで

 スーダン出身でアラビア語を母語とするアブディン氏は、生まれた時から弱視で、12歳のころ視力を失った。19歳になるまで、教科書以外の本は5冊も読んでいないという。ひょんなことから来日した彼は、日本語の勉強を始めると、点字や朗読テープを通じて本を読むことに夢中になる。
 福井の盲学校では鍼灸を学び、ホストファミリーにおやじギャグと福井弁を習った。さらに彼の世界を広げたのは、粘土を使って漢字を教えてくれたボランティアの先生だ。周囲の手を借りながら、彼はまさに手探りで日本語を習得していった。
 大学進学後、友人の勧めで書いたエッセイには、諺や慣用句、日本語らしい言い回しが多用される一方、独自に編み出された個性的な表現も多い。そんな日本語の表現力を、見えない彼は一体どうやって身につけたのか。そして、実際にどうやって文章を書いているのか。
 本書では、文字を失った彼が点字と出合い、日本語を習得していく過程と、のちにパソコンを通して自由に読み書きができるまでの苦闘の日々を振り返る。聞き手となるのは日本語教育を専門とする河路由佳氏。関係者のインタビューも併せ、全盲のエッセイスト誕生の背景に迫る。

内容説明

スーダンからやってきた全盲の青年は、どうやって日本語を身につけたのか。本を読むことすらできなかった彼が、日本語と出合い、日本語で文章を書くまでの苦闘を語る。

目次

第1章 文字を知る(文字の記憶;点字との出合い ほか)
第2章 声から学ぶ(耳で聴く読書;ラジオとコーラン ほか)
第3章 コンピュータに出合う(筑波時代の「革命」;筑波から東京へ ほか)
第4章 文章を書く(書けなかったころ;出会いに導かれて ほか)

著者等紹介

アブディン,モハメド・オマル[アブディン,モハメドオマル] [Abdin,Mohamed Omer]
1978年、スーダンの首都ハルツーム出身。生まれた時から弱視で、12歳の時に視力を失う。19歳で来日し、福井県立盲学校で鍼灸を学んだのち、東京外国語大学へ進学。スーダンの南北紛争について考察するため、アフリカ地域研究の道へ。同大学大学院に進み、2014年に博士号を取得。東京外国語大学世界言語社会教育センター特任助教、学習院大学法学部特別客員教授を経て、現在、参天製薬株式会社に勤務する傍ら、東洋大学国際共生社会研究センター客員研究員として研究を続ける。また、エッセイスト、特定非営利活動法人スーダン障害者教育支援の会(CAPEDS)代表理事、ブラインドサッカーの選手としても活躍している

河路由佳[カワジユカ]
1959年生まれ。杏林大学外国語学部特任教授。専門は日本語教育学、日本語文学。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

80
ノンフィクション。12歳で視力をなくしたアブディンさんは、19歳で日本に留学し鍼灸と日本語点字を学んだ。目の見えないアブディンさんがどのようにして日本語を学び、エッセイを書くまでになったのか。本人と支援者にインタビューする▽日本語能力試験を目指しての勉強や鍼灸の国家資格の勉強など、抜群の記憶力を活かして挑む。地頭の良い人だと言うことは間違いない。一方で、友達に教科書を音読してもらったり、分からないことは周りに質問したりして協力を求める力も半端ない、凄い人。読んだ本の感想も独特で面白かった。高野秀行とは友人2022/05/08

けんとまん1007

60
想像できない・・・のは、当たり前だと思う。実際、自分が経験していないので、致し方ない。それに、安易に想像することを憚られる。もともとの地頭の良さだけなく、ものの捉え方・考え方が素晴らしい。しかし、この文章、そこいらの日本人には書けない拡がりとユーモア、奥行きがある。改めて、人は、どんな出会いがあるかが大切だということを感じあ。2021/08/13

Roko

34
日本の文章を文字で読もうとしたら、漢字という大きな壁がありますけど、音声で読むことでそういうことを感じずに読書ができていたというのはアブディンさんにとって幸運だったのかもしれません。でも、アブディンさんは漢字をちゃんと勉強しているのです。同音異句や人名の説明には漢字が必要だと日本語の先生に教わってから、漢字に興味を持つようになりました。最初は形のイメージがわからないので粘土で形を作ってもらって、それを触って覚えたのだそうです。周りの人が協力してくれたのはアブディンさんのお人柄ありきなのでしょうね。2021/12/24

サアベドラ

30
全盲の外国人(スーダン出身で現在は日本国籍取得)でありながら、19歳で来日し日本語をほぼ完璧に読み書きできるようになった人物が日本語学習の来歴を語った本。2021年刊。そもそも著者はハルツーム大学法学部(東大法学部に相当)に入学できるほどの秀才で、来日後も多くの人の支えや支援を得ることができた幸運もある。著者も断っている通り境遇がかなり特殊なので外国語学習の事例として参考にすることは難しいが、そんなことがどうでもよくなるぐらい本人が極めて魅力的なキャラクターの持ち主で、それだけで十分読む価値があると思う。2022/03/01

Hiroh

26
盲人ならでは、あるいはコーランを覚えるムスリムならではの耳で聞いてそれをすぐ覚える力。一般の学習者の参考にはあまりならないかも。それよりも外から見た日本語の感覚が面白い。カタカナは聞いていてわかる。少し話し方も違うのだそうだ。夏目漱石の凄さ、村上春樹に対する違和感。この文章力は大量に本を読んだ(聞いた)ことによるのだろう。有無を言わさず総動員される戦争の怖さも印象に残る。「珍しいタイプの生き物だなあ」とアブディンに思わせる高野秀行はやっぱりすごい。2022/10/27

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