出版社内容情報
新たな危機とどう向き合うか? シリア内戦から欧州統合まで、27名の識者が事件の背景を多角的に検証。論客による緊急座談会も収録
27名の識者による緊急レポート!
2015年を今後ふりかえるとき、あなたはどのような記憶をよみがえらせるだろうか。この特集は、シャルリ・エブド事件に始まり、パリ同時テロ事件にまで至り、「戦争」という言葉が拡散された年として記録すべく編まれている──一連の事件の犠牲となられた数多くの方々に、心より哀悼の意をこめて。
緊急事態宣言が日常化した時代に、新たな危機と向き合うために知っておきたいことは何か。本書は、三つの問いを立てた。テロという「憎しみ」はどのようにもたらされたのか? 十字軍からの「暴力の連鎖」がEU統合後もつづくのはなぜか? はたして「今度は戦争」なのか? フランス学をはじめとする人文知に立脚しつつ、イスラームはもちろん、宗教、文化、政治、経済、憲法……多角的検証を試みた。また、座談会「テロと戦争の時代を生きる──反復する歴史のリズム」(鹿島茂+柄谷行人+酒井啓子+堀茂樹)を収録し世界史についても討議。それらの答えの先に、「共生する世界」がおとずれることを願って。
9・11、3・11、11・13……列せられた数字が意味をまとい、恐怖に脅かされるときだからこそ、「平和」について、あらためて考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
12
やはり山口昌子さんの意見が突出している感じ。学者の何篇かは読みながら居眠りしてしまった。2015/12/28
秋津
8
興味のあるところだけ読了。今夜、職場のひとにエマニュエル トッドを勧められて、この本にもトッドありきの議論が…読むときということ? この本を読み始めたきっかけは、ネルヴァルという文字を見かけたからなのですが。2016/07/09
刳森伸一
7
座談会にしろ文章にしろ識者たちはパリ同時テロ事件を自分たちの専門分野や興味対象へと還元する。それはもちろん悪いことではないのだけど、一度還元したそれらの多様な側面を統合にして、ではテロとどのように向き合うべきかという大きな視座にまでは至っていないのが残念。まあ、無理な相談かもしれないけれど。2016/01/16
入江・ろばーと
0
冒頭の宇野重規の論考に覚える「違和感」。 あの時流行った「トリコロール」に「違和感」覚えちゃいけないのか。三浦信孝はこのテロにかこつけて日本批判?やっぱり「違和感」。対談の前半部はなるほど……という印象。2016/07/31
オペラ座のカニ人
0
2015年11月のパリ同時多発テロに対するコメントを著名人が書いているので歴史をあまり知らないわたしには難しい。 ただ、フランスの今の立ち位置を知る上では理解しなくてはならないことかもしれない。これからも引き続き歴史を学ぶことは必要なのである。2021/11/11
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