出版社内容情報
日本映画界の巨匠が、東日本大震災を経て、新作『FOUJITA』に至るまで、映像表現の可能性を探り続けた10年の軌跡。
?T 変化のなかで
デジタル化/遠隔操作/消去してはいけない/雨の音/ミツマタ/セイタカアワダチソウ/ガマガエル/「もの」をまとう/道が交わるところで/もらい湯/質量のこころ/緑のしずく/場のいのち
?U 場をとらえる
場のもつ意味/清明な「場」/越境する視野/はぐれてこそ映画/場を共有する/機能の優先/父母の記憶/夢の中で/言葉のしっぽ/見えない場/『有りがたうさん』/述語が主語を包摂する
?V 見えないものを見る
眼差しの孤立/ヒンドゥーの神々/「動き」の錯覚/「見る」ことの「私性」/見えない音/夢のモノローグ/目は描写しない/受動と身体/見ることの奥行き/正面に立ち戻る/ものと人と/沈黙した後ろ姿/内から生まれる/交わるところ/光をめぐって
?W 別れ
ざきさんの治外法権――西崎英雄さん
誠実にたたずむ――田村高廣さん
存在へ向かう言葉――太田省吾さん
後衛でありつづける――安藤庄平さん
映画を育てる――高野悦子さん
一なるもの――辻井喬さん
?X 映画の思考
静けさから
フランス語の表現
『FOUJITA』を撮る
じっとしている唄
あとがき
初出一覧
【著者紹介】
1945年群馬県前橋市生まれ。早稲田大学第二文学部演劇専修卒業後、フリーの助監督として浦山桐郎、篠田正浩監督らにつく。1981年、宮本輝の小説を映画化した『泥の河』で監督デビュー。キネマ旬報ベストテン第1位、日本映画監督賞、毎日映画コンクール最優秀作品賞、最優秀監督賞など多数の賞を受賞、海外でもモスクワ映画祭銀賞を獲得し、米アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされるなど高い評価を受ける。84年、李恢成の原作による『伽?子のために』を監督。フランスのジョルジュ・サドゥール賞を日本人として初受賞。ベルリン国際映画祭国際アートシアター連盟賞を受賞。90年、島尾敏雄の小説『死の棘』を映画化。第43回カンヌ国際映画祭でグランプリと国際批評家連盟賞をダブル受賞。96年、オリジナル脚本で『眠る男』を監督。モントリオール映画祭審査員特別大賞を受賞。2005年、オリジナル脚本による『埋もれ木』を監督。第58回カンヌ国際映画祭で特別上映された。2015年、脚本も手がけた10年ぶりの新作『FOUJITA』を発表。著書に『映画を見る眼』『哀切と痛切』『見ること、在ること』『時間をほどく』がある。
内容説明
日本映画界の巨匠が、東日本大震災を経て、多様な変化を見つめながら映像表現の可能性を探り続けた軌跡。新作『FOUJITA』に至る10年の思索。
目次
1 変化のなかで(デジタル化;遠隔操作 ほか)
2 場をとらえる(場のもつ意味;清明な「場」 ほか)
3 見えないものを見る(眼差しの孤立;ヒンドゥーの神々 ほか)
4 別れ(ざきさんの治外法権―西崎英雄さん;誠実にたたずむ―田村高廣さん ほか)
5 映画の思考(静けさから;フランス語の表現 ほか)
著者等紹介
小栗康平[オグリコウヘイ]
1945年群馬県前橋市生まれ。早稲田大学第二文学部演劇専修卒業後、フリーの助監督として浦山桐郎、篠田正浩監督らにつく。1981年、宮本輝の小説を映画化した『泥の河』で監督デビュー。キネマ旬報ベストテン第1位、日本映画監督賞、毎日映画コンクール最優秀作品賞、最優秀監督賞など多数の賞を受賞、海外でもモスクワ映画祭銀賞を獲得し、米アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされるなど高い評価を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Hiroki Abe
ワンタン
Mana