出版社内容情報
世代、階級、植民地主義の終焉……第一次大戦後の時代の空気を、エヴェレスト初登頂に賭けた若者たちを通して描いた大作。
夢枕獏氏推薦! ヒマラヤ登攀史最大の謎に迫る
英国の登山家ジョージ・マロリーは一九二四年六月八日、アンドリュー・アーヴィンとともにエヴェレストの山頂をめざし最終キャンプを出発したが、頂上付近で目撃されたのを最後に消息を絶った。果たしてマロリーは登頂したのか――。
十九世紀の植民地主義が終焉を迎え、大戦へと突き進んで甚大な被害を出した英国。その威信回復の象徴となったのがエヴェレスト初登頂の夢だった。一九二一?二四年の間に三回にわたって行なわれた遠征では、参加した二六名の隊員のうち戦争経験者は二〇名にのぼった。
本書は、血みどろの塹壕戦をからくも生き抜き、世界最高峰の頂をめざして命を懸けたマロリーら元兵士たちの生きざまを通して「時代」に息を吹き込んだ歴史ノンフィクションである。気鋭の人類学者である著者は、未発表の手紙や日記のほか各地に遍在する膨大な資料を渉猟し、執筆に一〇年をかけて彼らの死生観にまで迫る。
兵士として隊員として、常に死と隣り合わせだった若者たちの「生」を描いた傑作!
【著者紹介】
1953年カナダのブリティッシュ・コロンビア州生まれ。処女作The Serpent and the Rainbow (1985)(『蛇と虹』草思社)で脚光を浴びる。2012年、本書Into the Silence (2011)で、優れたノンフィクションに与えられるサミュエル・ジョンソン賞を受賞。ナショナルジオグラフィック協会専属探検家を経て、現在はブリティッシュ・コロンビア大学人類学部教授。
内容説明
隊員26名中20名がかつて兵士・軍医だった。血みどろの塹壕戦をからくも生き抜き、世界最高峰の頂をめざして命を懸けた元兵士たち―。気鋭の人類学者が執筆に10年をかけ、彼らの生きざまを通して「時代」に息を吹き込んだ歴史ノンフィクション大作!サミュエル・ジョンソン賞受賞。
目次
第9章 ノース・コル
第10章 夢にまで見た頂上
第11章 フィンチの勝利
第12章 生命の糸
第13章 生の代償は死である
著者等紹介
デイヴィス,ウェイド[デイヴィス,ウェイド] [Davis,Wade]
1953年カナダのブリティッシュ・コロンビア州生まれ。ハーヴァード大学で博士号取得(民族植物学)。ハイチのゾンビ現象を民間信仰ヴードゥーの呪術と毒薬の作用に求めた処女作The Serpent and the Rainbow(1985)(『蛇と虹』草思社)で脚光を浴びる。2012年、『沈黙の山嶺―第一次世界大戦とマロリーのエヴェレスト』Into the Silence(2011)で、優れたノンフィクションに与えられるサミュエル・ジョンソン賞を受賞
秋元由紀[アキモトユキ]
米国弁護士。学部時代に真田濠で岩登りの手ほどきを受け、北はサシルイ岳から南は宮之浦岳までを歩く。米国で弁護士資格を取得後、開発援助や環境問題に関する非政府団体でスタッフを務めるかたわら、主にヒマラヤの登山記を収集。宝物はEric Shipton,The Mount Everest Reconnaissance Expedition 1951の初版本。訳書にタンミンウー『ビルマ・ハイウェイ』(第26回アジア・太平洋賞特別賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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