出版社内容情報
17世紀初め、画題とスタイルに革新的な変化をもたらしたオランダ絵画の豊かな意味を探る。(書物復権)
内容説明
一七世紀初め、日常生活と絵画の出会いから生まれたオランダ絵画の傑作の数々。絵画史上例を見ない画題とスタイルの革新的な変化の意味を、ステーン、テル・ボルフ、ハルス、デ・ホーホ、フェルメール、レンブラントらの作品のなかに探る。
目次
第1章 日常生活というジャンル
第2章 オランダにおける家庭生活
写実主義と寓意画
第4章 称賛と非難
第5章 道徳に関する曖昧さ
第6章 不可解な人物たち
第7章 世界への愛
第8章 画家たち
第9章 オランダ絵画の意味
著者等紹介
トドロフ,ツヴェタン[トドロフ,ツヴェタン] [Todorov,Tzvetan]
1939年、ブルガリアのソフィア生まれ。哲学者、文芸批評家。63年よりパリに留学。ロラン・バルトの指導のもと67年に『小説の記号学―文学と意味作用』を発表、構造主義的文学研究の先駆をなす。パリ第七大学を経て、現在フランス国立科学研究センターの芸術・言語研究センターに在籍
塚本昌則[ツカモトマサノリ]
1959年生。東京大学大学院博士課程中退。パリ第12大学文学博士。東京大学大学院人文社会系研究科教授。フランス近現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2024/10/29
Lieu
0
オランダ・リアリズム絵画論。日常風景をただ切り取っただけではないことを教えてくれる。一見、何の寓意もなさそうなところに寓意が認められたり、何の変哲もない構図によく考えると不可解な人物がいたりと、オランダ絵画は奥深い。この著者の、平明で鋭い書き方、一義的に解釈しきることをためらう思考が好きだ。2020/03/09
Eu
0
「絵のこのもうひとつの解釈[絵画それ自体からわれわれが受け取るメッセージ]は、たとえ同時代人たちが言葉で言い表せなかったとしても、彼らのなかにすでに見いだせるのではないかと考えるのは、不当なことではない。」(p.56)2021/06/13