出版社内容情報
句界の偉才が、先達や友人など十二人との交流の基ともなった手紙の魅力を、存分に引き出す。
【著者紹介】
1938年東京生まれ。東京女子大学卒業。『夏草』同人を経て『藍生』創刊・主宰。「木の椅子」で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞、「一木一草」で俳人協会賞を受賞。著書に『布の歳時記』など。
目次
一月 敢然と立つ波の上―磯見漁師斉藤凡太の俳句修行
二月 俳句のある人生―アメリカの女性外交官アビゲール不二の挑戦
三月 韋駄天杏子立ち往生―酒仙学者暉峻桐雨宗匠の教え
四月 サンパウロの桜守―日本人西谷南風と俳句
五月 蒼い目の太郎冠者―ドナルド・キーン薫風の日々
六月 青梅雨の榊一邑―莫山・美代子大往生
七月 涼しさのあんず句会―名付け親瀬戸内寂聴先生とともに
八月 盆の月を仰いで―山本けんゐち岩木山山麓の病室より
九月 長き夜を遊びつくして―東京やなぎ句会の兄貴たち
十月 秋灯女三代―大津波の後の菅原和子・有美・華の未来
十一月 冬銀河を遡る―俳句少年小田実
十二月 大晦日の饅頭ベストスリー―道楽学者歌人鶴見和子の生き方
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
3
黒田杏子氏の交友録でもあり、人生録でもある一冊。黒田氏の友人や知人が素晴らしいのは、黒田氏自身が素晴らしいからなのだろうと思った。友人との交流を綴っているが、自慢にはなっておらず、読んでいて楽しかった。2015/12/18
メルセ・ひすい
1
一月① 敢然と立つ波の上 ②俳句のある人生 初雪や石灯籠は闇の奥 音もなく雪の重みにしなう竹 ③韋駄天杏子立ち往生 ④サンパウロの桜守 ⑤蒼い目の太郎冠者 ⑥青梅雨の榊一邑 ⑦涼しさのあんず句会 ⑧盆の月を仰いで ⑨長き夜を遊びつくして ⑩秋灯女三代 ⑪冬銀河を遡る ⑫大晦日の饅頭ベストスリー ・妄想と野望も包む除夜の鐘 ☆文字をしたためることで始まる出会い。その出会いをさらに深めようと執る筆の弾み。句界の偉才が、先達や友人など12人との交流の基ともなった手紙の魅力を、存分に引き出す。2013/02/08