出版社内容情報
ヒポクラテスの始祖神、アスクレピオスの根源像を神話学の巨人が解明する。(書物復権)
【著者紹介】
1897~1973年。ハンガリー生まれ。古典文献学、古代宗教史研究者。著書に「ディオニューソス」「神話学入門」「迷宮と神話」など。
内容説明
医術とは、自らの傷に苦しむことで得た治療知識に他ならない。ヒポクラテスの始祖神アスクレピオスの根源像を探る。
目次
1 ローマのアスクレピオス
2 エピダウロスの治療
3 コス島におけるアスクレピオスの息子たち
4 ホメロスに描かれた医師の神人たちと神々の医師
5 テッサリア地方の起源
著者等紹介
岡田素之[オカダモトユキ]
1942年生まれ。1971年早稲田大学大学院博士課程修了。ドイツ文学・文化史専攻。早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
ローマ、エピダウロス、コス、テッサリアのトリッカへ旅する神話学者の地理上の移動は、古代ローマから前ギリシャ(トリッカ)への歴史を遡る旅に見える。が、それは歴史を超え、神話を通して直接始源に触れる旅でもある。著者は、死者を蘇生するまで医術を高めたゆえにゼウスに殺されるアスクレピオスを、ゼウス的秩序に反し、カオスに触れるトリックスター(ディオニュソス、プロメテウス)の一人として扱い、古代の民間信仰にギリシャ的な心身並行論を見出す。そこには、神にとってカオスである人間が、自らのカオスを制御する技法が認められる。2021/08/31
さりー
0
医学の神に関する本 ああ、どんなに時代を経ても人間で同じなのだなあと思うことばかり。 前に読んだので、やはり知識不足な部分が多く、読んだ当時神々の名前などについていけなかった。また時間をおいて読んでみたい。