出版社内容情報
俳優とは、作者の言葉を観客や視聴者につたえるしごとです。そのためには「つたえるテクニック」がぜったいに必要です。では、どうすればそのテクニックを身につけることができるのか、この本には、だれにでもわかるように書かれています。
内容説明
『発声と身体のレッスン』の続編!アマチュアからプロまで、表現力を豊かにするための「演技のバイブル」ついに登場。
目次
自意識と集中の輪
「与えられた状況」
魔法の「もし」
目的または意図
「障害(じゃまをするもの)」
行動
状態ではなく行動
感覚の記憶
感情の記憶
行動を動機付け(正当化)する〔ほか〕
著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年生。早稲田大学法学部卒。作家・演出家。主要作品、『スナフキンの手紙』(岸田國士戯曲賞受賞)、『グローブ・ジャングル』(読売文学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
42
思うところがあって、演技の勉強をと読んでみたんだが、これまで自分が演技と考えていたことの浅はかさに反省してとても面白かった。技術論というよりは、練習とその時の心構えが重点的に書かれていて、実際ワークの方法も載ってるから試しにやってみるけど、難しいことこのうえない。シナリオやセリフと、感情の元は別というのができそうもなくて、主人公に感情移入していなくても、怒るシーンなら今までで一番怒ったことを思い出してその感情のまま、シナリオを進めるとか、演じる(表現)へのアプローチがわかって面白かった。2022/12/20
koke
5
新劇→アングラ演劇→小劇場演劇のという日本の演劇史の中で、新劇はスタニスラフスキー・システムを導入したがアングラ演劇は新劇を否定する中で、スタニスラフスキー・システムも否定したらしい。著者は小劇場演劇の出自でブレヒトを志向するとのことではあるが、広範囲に有用な基本的な演技技術としてスタニスラフスキー・システムを支持しており、本著も主にスタニスラフスキーの特に後期を下敷きにしている。後半は著者自身の論のようで、[認識の発見]などはブレヒトの[異化効果]なのかな、と。著者自身の肉付け部分が特に面白く読めた。2020/11/12
Ryo Nishimura
4
誰かがおすすめしてたから読んでみた。 俳優、演技する時ってこういうレッスンを受けるのかーっておもしろかった。 視点を切り替える話は、日常生活とも通じるなーと思ったりした2021/09/23
さくら
3
演技はしたことがないし、する予定もないが、面白いと聞いて読んでみた。俳優が、一体、何を考えて登場人物を演じているのかが分かる一冊。主要な人物ではなくても、例えば、台詞が一言もない門番の役をするとき、俳優は、その人物が何が好きで、どんな立場でここにいるのか考えながら演じる。それがキャラクターを作りこむということだ。この人だったら何を言うのか、どんな行動をするのかを理解していないと演じることができないのだ。「阪急電車」で大杉錬さんが、ほとんど台詞のない役をされていたが、今でも、強く心に残っている。2023/04/14
じん
3
これ、めっちゃ良かったな。 映像作品を見る時に思う違和感についての言語化がしっかりされてて、今までモヤモヤしてたものが晴れた感じがする。 演技に携わってる人だけじゃなく、エンターテインメントに関心がある人はみんな1度は読んでみてほしいな。2023/02/06
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