パラドクシア・エピデミカ―ルネサンスにおけるパラドックスの伝統

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  • サイズ A5判/ページ数 596,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784560081471
  • NDC分類 902.05
  • Cコード C1010

出版社内容情報

ギリシア・ローマの雄弁術から中世の否定神学を経て、ルネサンスの科学・文芸・思想を席巻した「風土病」としてのパラドックス作品を百科事典的に通観した名著。待望の完訳!

内容説明

言語遊戯、逆さまの世界、静物画、真空の発見、否定神学、自殺礼讃。「知」をねじ戻す奇態な自己言及の営みが時代を席捲した。ルネサンス研究を現代へと啓く文化史の傑作。

目次

パラドックスの諸問題
第1部 修辞と論理のパラドックス(「けちな卑し絵師」―フランソワ・ラブレーとその本;「我が物語を愍れめ」―ロゴスと芸術の永遠性;ジョン・ダンと受肉のパラドックス)
第2部 神の存在論のパラドックス(否定神学の中の肯定―無限;否定神学の中の肯定―永遠;『聖堂』の中のロゴス)
第3部 存在論的パラドックス―存在と生成(「すべて、存在せぬものばかり」―無問題を解く;賭け―全てか無か;静物画―存在のパラドックス;存在と生成―事物の言語のパラドックス;『神仙女王』に見る存在と生成)
第4部 認識のパラドックス(「我れは我れなり」―自己言及の問題;超越知の修辞学;ロバート・バートン『憂鬱の解剖』とパラドックスの構造;「狂いし中にもまともな」;「自らの刑執行人」)

著者等紹介

コリー,ロザリー・L.[コリー,ロザリーL.][Colie,Rosalie L]
1924年、ニューヨーク生まれ。元ブラウン大学教授。1966年刊行の第一作『パラドクシア・エピデミカ』につづき、69年にアンドルー・マーヴェル論『我が谺せる歌』を上梓、画期的なルネサンス研究を展開していた最中の72年、ボートの転覆事故で急逝

高山宏[タカヤマヒロシ]
1947年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、明治大学国際日本学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

7
ラテン語のイデア的関係では言葉は二次的身分にある。が、その俗化によって言葉同士の関係(俗語とその起源)が前景化し、意味を貶める言葉が生じる。パラドクスはイデア的関係の世界では病とされる。本書では教養7学科の文法、論理、修辞のトリビウムでの、イデア的伝達を強いる宗教的道徳に対する修辞的パラドクスから、性愛を巡り、知と無知、自己言及の病が広がるルネサンス前後を扱う。読後、パラドクスがクワドリウィウム(音楽、天文、幾何、算術)に侵入した近代数学史を思い起こすなら、この病が知に行き渡り現代を作ったことを「知る」。2020/02/13

EnJoeToh

3
入口。2011/12/27

あかふく

1
パラドックスはその para という部分からわかる通り、ある「別の(二つの)」対立というものに関わっている。そしてそれらがぶつかるとき、訳語の一つが示す「矛盾」の事態が正に発生するのだ。ゆえにまず「オーソドックス」がなければならないこともあり、エピローグでコリーがパラドックスが堕落することを指摘しながらもあり続けるとは言いながら、一つのオーソリティが確固としてあったルネサンス期の「パラドクシア・エピデミカ(逆説の流行病)」に関して調べるのが適当だったということになる。何が反論されているのか? を意識する。2013/11/14

rien

1
壮観也、ルネサンスとパラドックスの世界。特にシェイクスピア作品を読み解くロザリー・コリーのまなざしに感嘆。2012/01/16

wanted-wombat

0
逆説の流行病。できれば手元にずっと置いておきたい書籍だけど値段が……orz 懐が温かくなったら買う! 著者の博学さには舌を巻いたし、訳者の博学さにも脱帽。2012/10/02

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