出版社内容情報
ギリシア・ローマの雄弁術から中世の否定神学を経て、ルネサンスの科学・文芸・思想を席巻した「風土病」としてのパラドックス作品を百科事典的に通観した名著。待望の完訳!
内容説明
言語遊戯、逆さまの世界、静物画、真空の発見、否定神学、自殺礼讃。「知」をねじ戻す奇態な自己言及の営みが時代を席捲した。ルネサンス研究を現代へと啓く文化史の傑作。
目次
パラドックスの諸問題
第1部 修辞と論理のパラドックス(「けちな卑し絵師」―フランソワ・ラブレーとその本;「我が物語を愍れめ」―ロゴスと芸術の永遠性;ジョン・ダンと受肉のパラドックス)
第2部 神の存在論のパラドックス(否定神学の中の肯定―無限;否定神学の中の肯定―永遠;『聖堂』の中のロゴス)
第3部 存在論的パラドックス―存在と生成(「すべて、存在せぬものばかり」―無問題を解く;賭け―全てか無か;静物画―存在のパラドックス;存在と生成―事物の言語のパラドックス;『神仙女王』に見る存在と生成)
第4部 認識のパラドックス(「我れは我れなり」―自己言及の問題;超越知の修辞学;ロバート・バートン『憂鬱の解剖』とパラドックスの構造;「狂いし中にもまともな」;「自らの刑執行人」)
著者等紹介
コリー,ロザリー・L.[コリー,ロザリーL.][Colie,Rosalie L]
1924年、ニューヨーク生まれ。元ブラウン大学教授。1966年刊行の第一作『パラドクシア・エピデミカ』につづき、69年にアンドルー・マーヴェル論『我が谺せる歌』を上梓、画期的なルネサンス研究を展開していた最中の72年、ボートの転覆事故で急逝
高山宏[タカヤマヒロシ]
1947年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、明治大学国際日本学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
EnJoeToh
あかふく
rien
wanted-wombat