出版社内容情報
バッハの無伴奏チェロ組曲に魅せられたジャーナリストが、作曲者バッハと紹介者カザルスの生涯をこの作品を軸に語りつつ、曲のなりたちや受容について考察する。大音楽家へのオマージュ。
内容説明
バッハの「無伴奏チェロ組曲」に魅せられたジャーナリストが、この名曲を軸に作曲者バッハと紹介者カザルスの生涯を語りつつ、組曲のなりたちや受容について考察する。
目次
第１組曲 ト長調
第２組曲 ニ短調
第３組曲 ハ長調
第４組曲 変ホ長調
第５組曲 ハ短調
第６組曲 ニ長調
著者等紹介
シブリン，エリック［シブリン，エリック］
モントリオール在住のカナダ人ジャーナリスト兼ドキュメンタリー番組プロデューサー。ケベック州のコンコーディア大学で歴史学の文学修士号（Ｍ．Ａ．）を取得ののち、カナディアン・プレス、モントリオール・ガゼットなどで記者やポピュラー音楽の批評家を務めた。『「無伴奏チェロ組曲」を求めて―バッハ、カザルス、そして現代』が処女作で、２００９年のケベック作家連盟文学賞をノンフィクション部門と新人部門でダブル受賞している
武藤剛史［ムトウタケシ］
１９４８年生。京都大学大学院博士課程中退。フランス文学専攻。共立女子大学文芸学部教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
14
この本、マニアックだけれど、とても面白い。ポピュラー音楽やロックのコメンテイターをしていた著者が、ある日バッハのチェロ無伴奏組曲のコンサートに入り込んだ。体が震えてしまった。これをきっかけにして、この曲は何なのだと探る旅に出る。バッハの生涯、無伴奏組曲の出自、そして、ほとんど注目されず練習曲として扱われていたこの曲を復活させたカザルス。この三つを組み合わせて一冊の本にしたもの。バッハという人、意外に世俗的な人。彼の音楽をひたすら高貴と崇めるのは、いささか怪しいという私の疑問が解消されたような感じもある。2020/12/27
いとう・しんご singoito2
7
新装版をご覧になった読友さんきっかけ（こっちのエントリーは旧版）。非常に上質なエンターテイメントという印象。メインとなる話題だけでは堅くなりなりやすいテーマだけれど、そこに著者自身の取材の苦労話やチャレンジ譚を盛り込んで彩りを与えた全体の構成がとても秀逸。個人的には若い頃から大好きなマイスキーのインタヴューが一番、印象深かったです。夏休みの、肩の凝らない読書にお奨めできる本でした。2024/08/09
カネコ
3
◎2014/07/08
quabex
0
NHKFM『ウィークエンド・サンシャイン』で知った本。バッハ、カザルスの評伝であり、組曲と著者との関わりについてのエッセイでもある。訳者あとがきの「これほどに読んで楽しく滋味豊かな音楽書にはめったにおめにかかれるものではない」を読んで、読まねばと思い、良い本に違いないと思った。その通りだった。組曲を聴きたくなるのはもちろん、チェロの曲をもっと聴きたくなる。S・シン、『音楽史を変えた五つの発明』のグッドール、本書の著者と、3人ともテレビ・映像関係の人。どんな業界にも才能のある人はいるから偶然だろうけれど。2017/07/21
ヤクーツクのハチコ
0
スペイン語のテキストでカザルスについてちらっと書いていて、興味を持ったので読んでみた。カザルス入門にはちょうどいいかな。バッハのほうに話がとんでくれるから中弛みなくすいすい読めたし。作者のドイツに対する偏見が鬱陶しかっかたけど。今はとりあえずヨー・ヨー・マのチェロ組曲きいてみてるけど、カザルスも聞き比べてみよう2013/12/01
