男性性の探究

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男性性の探究

  • ISBN:9784065227268

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内容説明

ひとりの男性として自分は何が語れるだろうか?

#MeToo運動をきっかけに覚えた、男性としての居心地の悪さ、動揺、そして目覚め。
フランスの哲学者・宗教社会者である著者が、男性支配の構造と、その解体を語る。

リオジエが問題視するのは、女性の身体に向けられる男性の視線である。歴史的・社会的・文化的に培われてきたこの眼差しが、女性を客体化(objectiver)し、もの(objet)として所有すること、資本として蓄積することを可能にしてきた。そのようにして男性優位の構造が形作られてきた。そこに問題の核心がある。(「訳者解説」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

26
宗教を専門とする哲学者の立場から、女性に対して支配的な男らしさの害悪を解き、そこからの脱却を訴えた本である。トランプの「トロフィー・ワイフ」からワインスタインの性暴力まで、現代的な話題から男性性の問題に迫っているため、馴染みやすい内容だ。#Me,tooの告発に呼応するように、女性の身体を所有物のように捉えて支配欲を満たす男性の欲望に警告を出している。フランスの事情を含め、男性支配の歴史と文化が分かりやすく解説されている。関係性の中でジェンダーと欲望を流動化しよう、という提案に納得!おすすめです。2021/10/18

Narr

11
個人的には杉田俊介『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』の方が学ぶところが大きかったのでこちらより上記をお勧めしたい。勿論、併読が一番ですね。著者の言うところの「らしさ」がパフォーマンスであるというのはバトラーと通じます。自分も「有害な男らしさ」を解体せねば……。2022/02/23

owlsoul

9
アリストテレス曰く、「男性は特定の能力のおかげで男性であり、女性は特定の能力の欠如によって女性である」らしい。能力のある男性は、能力の欠如した女性を保護(=所有)する役割を担う。「家父長制」と呼ばれるこの歪な思考と制度は、なぜこれほどの強度をもっているのか。本書によれば、女性たちは男性に守られることを望んでいない。ただ対等でありたいのだ。それは女性が男性化することではない。男性の客体としてではなく、女性という主体のまま存在すること。性差を大事にするフランスらしい、互いの違いを受け入れ尊重するフェミニズム。2025/06/29

Kyohei Matsumoto

4
男性と女性について考える機会が最近ある。だからこれを読んだ。女性をもの扱いして、蔑んできた汚い歴史がたくさん書いてある。それを踏まえて、じゃあこれからの性を生きるにはどうしたらいいのか。男性として、権威主義的で、支配的であってはいけない。男性のステレオタイプに染まることが女性を従属させることになる。対等であるということがどういうことなのかなお考えさせられる。自分は男性として女性にどうかかわっていこうかと真剣に悩む。意志を持った主体であることを認めて、同意をとること。これは一つ重要かもしれない。2021/08/26

sk

2
男性支配の構造2025/08/17

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