内容説明
ひとりの男性として自分は何が語れるだろうか?
#MeToo運動をきっかけに覚えた、男性としての居心地の悪さ、動揺、そして目覚め。
フランスの哲学者・宗教社会者である著者が、男性支配の構造と、その解体を語る。
リオジエが問題視するのは、女性の身体に向けられる男性の視線である。歴史的・社会的・文化的に培われてきたこの眼差しが、女性を客体化(objectiver)し、もの(objet)として所有すること、資本として蓄積することを可能にしてきた。そのようにして男性優位の構造が形作られてきた。そこに問題の核心がある。(「訳者解説」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
26
宗教を専門とする哲学者の立場から、女性に対して支配的な男らしさの害悪を解き、そこからの脱却を訴えた本である。トランプの「トロフィー・ワイフ」からワインスタインの性暴力まで、現代的な話題から男性性の問題に迫っているため、馴染みやすい内容だ。#Me,tooの告発に呼応するように、女性の身体を所有物のように捉えて支配欲を満たす男性の欲望に警告を出している。フランスの事情を含め、男性支配の歴史と文化が分かりやすく解説されている。関係性の中でジェンダーと欲望を流動化しよう、という提案に納得!おすすめです。2021/10/18
Narr
11
個人的には杉田俊介『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』の方が学ぶところが大きかったのでこちらより上記をお勧めしたい。勿論、併読が一番ですね。著者の言うところの「らしさ」がパフォーマンスであるというのはバトラーと通じます。自分も「有害な男らしさ」を解体せねば……。2022/02/23
Kyohei Matsumoto
4
男性と女性について考える機会が最近ある。だからこれを読んだ。女性をもの扱いして、蔑んできた汚い歴史がたくさん書いてある。それを踏まえて、じゃあこれからの性を生きるにはどうしたらいいのか。男性として、権威主義的で、支配的であってはいけない。男性のステレオタイプに染まることが女性を従属させることになる。対等であるということがどういうことなのかなお考えさせられる。自分は男性として女性にどうかかわっていこうかと真剣に悩む。意志を持った主体であることを認めて、同意をとること。これは一つ重要かもしれない。2021/08/26
takao
2
ふむ2023/06/09
Go Extreme
2
男という悪の凡庸さ #MeTooの意味を歪める五つのやり方 白馬の王子の神話の意味 資産として重要な女性 女性の値段 女子無料・女性優遇 男らしさは・女性により伝達 心も体も不完全な女性 レイプの文化 男らしさの無力・不能 強すぎる女性に対する不安 女性の欲望に対する怖れ 去勢コンプレックス・男性的 果たされていない近代の約束 女性の同意は両義的で紛らわしい・俗説 愛のないセックス ジェンダーのなかの違和感 自由を恐れないこと 私たちの差異を再び自分のものにすること ジェンダーの和平に向かって 価値の転換2021/04/26
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