隔離小屋

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560080665
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

「隔離小屋」に置き去りにされた瀕死の女、大陸を脱出して海の向こうを目指す男、二人の愛は冷酷な試練を乗り越えられるのか…?『死んでいる』の鬼才による、「生き延びる」ための問題作。

著者等紹介

クレイス,ジム[クレイス,ジム][Crace,Jim]
作家。1946年、英国ハートフォードシャー生まれ。「フィクションの地図作製者」として、その作品は世界中から高い評価を受けており、『死んでいる』が全米批評家協会賞を受賞するなど、数多の文学賞の栄誉に浴している。現在、バーミンガム在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あたびー

29
舞台は遠い未来の米国。文明は崩壊し中世に回帰している。昔東の大陸からやってきた人々は暮らしに倦み東へ行くことを夢見ているが海も見たことがない。街道を横切る川を旅人に渡らせることで糊口を凌ぐ町に住む婚期を逃した娘マーガレットは伝染病に罹り町の外の隔離小屋に入れられている。一方兄と共に東を目指して来たフランクリンは膝を傷め町の外に留まり、兄だけが町へ。その夜近くの湖に土砂崩れが起きて湖底のガスが沸き立ち、町の生きとし生けるものの命を一瞬で奪い去った…壮絶なオープニングに続きこの二人がたどる過酷な旅の物語。2020/03/16

アトレーユ

20
新天地へ行くという夢のために東へ向かう、その足取りよりも、現実を知り、夢に背を向けて西へ帰る、その足取りの方が力強く感じた。幸せの度合いを計る尺度は、漠然とした、曖昧すぎる夢よりも、具体的な意思があるかどうか。それが原動力になり、人間の生きる力・前を向いて歩いていく力になるのかもしれない。表紙はこんなだし、原題は(病の)ペストハウスだし、死にまつわる表現はストレート。なのに、ラストはなんだか清々しい。アト的には素敵な一冊。2016/01/23

愛玉子

15
近未来のアメリカ。文明は廃れ、開拓時代を思わせるあたりまで後退してしまっている(コインに彫られた人物のくだりでは、おお!と思った)。荒廃した土地、横行する暴力、謎の伝染病。人々は海の向こうにあるという楽園を求めて、憑かれたように東海岸を目指す。そんな状況で出会った二人の男女。神に祈らず、神を呪わず、自分の両手だけで運命を切り開いていくこの二人がとても初々しく魅力的で、一気読み。どこかしらユーモアが感じられる文章(花の香りを楽しむ場面で思わず笑う)や風景描写の美しさが心地よく、希望が仄見えるラストも良い。2010/09/29

奥山 有為

14
途中まで、で返却期限。もう一回また借りて読む。おもしろい!!一文一文が見逃せない。じっくり読みたいけどストーリーも面白くて早く先に進みたい...。学生時代に読んだ『死んでいる』も面白かったはずなんだけど、殆ど覚えていないのでそちらも再読したい。『隔離小屋』はマーセル・セローの『極北』にも雰囲気がちょっと似てるなー2017/03/14

mejiro

13
かつてはフロンティアをめざして西へ向かったアメリカの人々が、この物語では希望を求めて東へ向かう。エゴが剥き出しになる世界で、互いに助け合い、苦難を乗り越えていく主人公たちが力強い。彼らの決断に得心した。熱狂から一歩引いて、状況と自分の気持ちを確認し行動することの大切さ。舞台が現在のアメリカとかけ離れていて、最初少し戸惑った。ミクロの視点から全景まで自然の描写が独特。 2015/03/10

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