内容説明
騎士道、聖者伝説、海底に消えた都、魔法を使う法王の話など、興味深いエピソード、あまり知られていない逸話を、中世史料とくに年代記に即して語る。赤々と燃える暖炉の傍らでの一夜の楽しい語りのごとき中世史譚の数々。
目次
騎士のおそれ
建国者コナン
海底の都
大帝の墳墓
魔法を使う法王
死者の巻物
騎士気質
絵巻物
僧院
クリュニーの栄光〔ほか〕
著者等紹介
渡辺昌美[ワタナベマサミ]
1930年生まれ。東京大学文学部卒。高知大学名誉教授。フランス中世史専攻
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感想・レビュー
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サアベドラ
13
歴史家による中世ヨーロッパ歴史エッセイ。伝説や説話など、史書に時折現れる一般の人や学生が読んでも興味深い(であろう)エピソードを軽い文章で紹介する。本書に出てくるメリュジーヌ伝説やジェヴォーダンの獣、黒い聖母あたりはわりと有名なので知ってる人もいるかもしれない。著者の専門が南仏の異端だからか、教会や修道士の話も多め。気取らない文章で読みやすく、中世ヨーロッパの雰囲気を味わいたい人におすすめ。2013/05/28
鐵太郎
3
題名どおり、中世期の(主に)フランスの歴史の中のこぼれ話。真面目なきちんとした歴史の一ページなのに、面白いね、これ。2014/01/01
medihen
2
専門家のエッセイということなので、もっと固い、歴史解説的なものかと思って読み始めたのだが、実際の内容は気軽に読める楽しい読み物だった。取り上げられているテーマも、(中世に関心を持ちそうな)素人が野次馬気分で興味を持てるものであり、語り口もソフト。「知らないうちに中世についての知識が身につきます」という感じ。このおもしろさは……と思ったら、授業の上手な歴史の先生の脱線話そのままの楽しさなのだった。2004/10/10
ヒラタ
1
語りたいことだけを書いたのでしょうが、面白かった。特に「僧院」「クリュニーの栄光」「白い兄弟たち」「院長シュジェ」、当時の一般的な知的水準の低さにも改めて驚きました。2014/07/30
ooharak
1
クセジュっぽくてあれかなと思ったけど「ふらんす」に連載されてた内容で、それなりにおもしろかった