内容説明
古典的なバッハ評伝。親族から直接に得た情報に基づいてその生涯をたどり、同時に、「真の音楽芸術の愛国的賛美者のために」という副題も示しているように、バッハをはじめてドイツ民族の英雄として描き、かつバッハの崇高な音楽を、その品位にふさわしく描き上げている。
目次
１ バッハの家系
２ バッハの生涯
３ クラヴィーア奏者としてのバッハ
４ オルガニストとしてのバッハ
５ バッハの和声
６ バッハの旋律
７ 教師としてのバッハ
８ 人間としてのバッハ
９ バッハの作品
１０ バッハによる改稿
１１ バッハの精神
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nonberg
10
J.S.Bachの生涯が新書版の分量にほどよくまとめられています。特に演奏者・教師の側面が興味深く、作品・理論と奏法、指導法が不可分に関連し、偉大な音楽家の像を結んでゆきます。原書の出版はJ.S.Bachが眼病に苦しんで亡くなった1750年から52年を経た1802年。オルガニストであった著者は、J.S.Bachの息子たちに取材し、収集した譜面・異稿を校訂したうえで書いていますが、時代的な誤謬は避けがたく、訳者・角倉一朗氏の訳注が参考に。巻末に付された詳細な年譜は時代を追って主要な楽曲の発表年がわかります。2020/12/09
ao*
0
バッハ死後初の評伝だそう。そのことも含めて面白いし、バッハについてざざっと知るにはまあいいかも。自分にとってはバッハ演奏についての実用書・研究書の方が読みたいなと思った。あとバッハ論なら「カザルスとの対話」中の“J・S・バッハ”が熱くて感動的だし、私にとってはこちらの方がより理解が深まった。2011/02/27
ばっは
0
これから読むっていう人には先に後書を読むことを進めます。2010/10/03
ロバーツ
0
詳細な年譜収録。2025/05/25
Tsuyoshi
0
断片的には目を通していたけれど、全体を読むのは初めて。バッハの時代にはほとんど存在しなかった(？)汎ドイツ的ナショナリズムが強烈。社会のものの考え方なんて、50年あればガラッと変わってしまうのよね。2019/11/05
