出版社内容情報
ルノートルの執筆態度は、古文書の徹底的な渉猟、追求、歴史の現場をたずね歩いて、その雰囲気を綿密に伝えることであった。第2巻では、1792年末、国王審判の開始から翌年1月の処刑に至るまでの事情、シャルロット・コルデーによるマラーの暗殺、マリー・アントワネットの裁判と処刑が描かれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
119
英明ではないが職人を見ると手伝わずにいられなかったルイ16世。その美徳に王妃マリー・アントワネットは死が迫った時ようやく気づいたという。王の判決は、山岳派や民衆の圧力に屈した従兄弟フィリップが投じた最後の一票で死刑になった。革命の歯車は容赦なく人間を押し潰していく。子への愛に生きた王妃は過激派の捏造した証拠によって裁かれ、民衆の侮辱に耐えつつ毅然として断頭台へ上る。ここからギロチンによる恐怖政治が加速していったらしい。《法の命ずる無感動》への誇りが恐ろしかった。王妃の遺体は二週間も墓地に放置されたという。2019/11/24
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- 天工開物 東洋文庫