白水Uブックス<br> 真ん中の子どもたち

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白水Uブックス
真ん中の子どもたち

  • 温 又柔【著】
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  • 白水社(2025/10発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072653
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

あらゆる境界線をひらく文学

著者の初期の代表作、待望のUブックス化!
日本人の父と台湾人の母をもつ19歳の琴子は、母の言葉である中国語を学ぼうと上海に留学する。ルームメイトとなった呉嘉玲は父が台湾人、母が日本人という境遇で、父の言葉を学びにやってきた。呉嘉玲と同じクラスの龍舜哉は、祖父の代に台湾から日本に渡った家系で、関西弁を話す。
標準的な中国語(普通話)を学ぶなかで、琴子は「普通」でない自分を突きつけられ動揺するが……。
言語に溶け込む歴史とアイデンティティが複雑に絡む境遇を生きる若者たちが、悩みながら自分自身のルーツを大切に見つめ直し、「私たちの言葉」として枝葉を未来へ広げていく。光が溢れる上海でのひと夏を鮮やかに描く青春小説。
単行本未収録の「母のくに」を併録。解説:川村湊


【目次】

内容説明

あらゆる境界線をひらく文学。上海に留学し、母の言葉である中国語を学び始めた琴子は、「普通」でない自分を突きつけられて動揺するが…。言語に溶け込む歴史と複雑な境遇を、「私たちの言葉」として未来へ解き放つ。若者たちの上海でのひと夏を鮮やかに描く青春小説。

著者等紹介

温又柔[オンユウジュウ]
1980年、台湾・台北市生まれ。3歳の時に家族と東京に移住し、台湾語混じりの中国語を話す両親のもとで育つ。09年「好去好来歌」ですばる文学賞佳作、16年『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社)で日本エッセイスト・クラブ賞、20年、『魯肉飯のさえずり』(中央公論新社)で織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデミン@もも

37
温又柔さんの柔らかな文章がとても好き。心に響く。『あいのこ』って言葉は、私にはあまり良い印象ではなかったが、『愛の子』と聞けばとても愛おしい言葉に変わる。アイデンティティとか関係なく生きていこうとしても、どうしてもそのルーツに向き合ってしまう。日本語しか話せない私には、なかなか理解できないが、少しでも寄り添えたらいいな。2026/01/18

海燕

20
初めて読む著者。台湾に生まれ3才で東京に移住したという歴からも、国籍とか言語に関するアイデンティティをめぐる話かと予想する。果たしてそのとおりだった。私たちが中国語、とひとくくりに捉えているものは思いのほか多様だ。話し言葉は北京語、広東語、台湾語など地域によってかなり違う。日清戦争以降の歴史、日本による台湾の支配の影響も大きい。親や祖父母の片方が日本人だと、どんなアイデンティティがどう形成されるのか。日本で生まれ育った私たちにはなかなか想像が及ばない。ややくどく感じた面もあるが、全体として面白かった。2026/06/17

Inzaghico (Etsuko Oshita)

6
最近、とみにエミール・シオランの「祖国とは国語」という言葉を思い返す。では、「国語」とは? 両親が話す言葉が違う家もあれば、両親が話す言葉は同じでも、周囲が話す言葉が違う家もある。そのとき、その子どもにとっての「国語」とは、「『母』国語」は何になるのか。解説の川村湊の最後の一文にしびれた。田村隆一の詩を引用するなんて、もう、かっこいい。『「言葉なんかおぼえるんじゃなかった/日本語とすこしの外国語を』と日本の詩人は詠ったが、言葉をおぼえなければ、何も始まらなかった。ミーミーにも、灯子にも、そして温又柔にも』2026/03/07

もけうに

5
まさに著者でなければ書けない作品。文中に容赦なく中国語・ピンインが出て来るが、そこを読み飛ばしても内容はわかる。自己のアイデンティティに言語は根強く結びついており、その境界にいる人は不可視化される。台湾の言語状況は特に複雑で、それは歴史的経緯と切り離せない。本書を読むと、台湾について知りたくなる。2026/07/12

yoshichiha

3
言語と血筋という二つの面から、若い登場人物たちのアイデンティティの苦しみを実直に描いている作品だと思った。読んでいて共感ではなく発見的な気持ちの方がやっぱり大きかったことを感じて、自分がマジョリティ的なルーツの持ち方をしており、それによるアイデンティティに対する悩みを持たずに生きてきたということを、改めて実感。 琴子が自分なりの中国語の学び方をしていこうとする様子を見て、血筋は自分では変えられないけれど、言語、言葉については自分自身の意思を宿すことができる、というメッセージもあるのかなと受け取った。2026/02/07

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