出版社内容情報
魂の戦慄を描く、乱歩絶賛の残酷コント集
空腹を抱えた浮浪者が街道で金貨を拾うが、村の人々はそれを盗んだ金と決めつけて受け取りを拒否する。途方に暮れた男は行き会ったもう一人の浮浪者に、小銭との交換を持ちかけるが……「街道にて」。
息子が乗り組んだ潜水艦が撃沈されたという知らせを受けた老夫婦。一時金200フランに加えて国から遺族年金が出ると言われたが、父親は納得できない。ところがその夜、戦死したはずの息子が帰ってきた……「生還者」。
人生の残酷や悲哀、運命の皮肉を短い枚数で鮮やかに描き、ポーやヴィリエ・ド・リラダンの後継者と称されたルヴェルの残酷コントは、20世紀初めのフランスで絶大な人気を博し、本邦に紹介されて江戸川乱歩や夢野久作らも魅了した。第一短篇集『地獄の門』収録作を中心に、新発見の単行本未収録作を加えた全36篇を新訳で刊行。
内容説明
愛人の美しい髪の毛への妄執に囚われた男。死んだ男が年下の妻とその愛人に用意した皮肉な復讐。独房で自由と太陽を奪われた放浪者に残されたただひとつの希望。気球で超高空飛行に挑戦した二人を襲った恐怖の出来事…。人生の残酷や悲哀、運命の皮肉を短い枚数で鮮やかに描き、20世紀初めのフランスで絶大な人気を博したルヴェルの残酷コント。第一短篇集『地獄の門』収録作を中心に、新発見の単行本未収録作を加えた全36篇を新訳で刊行。
著者等紹介
ルヴェル,モーリス[ルヴェル,モーリス] [Level,Maurice]
1875‐1926。フランスの作家・劇作家。ロワール地方のヴァンドームに生まれる。パリで医学を学ぶが、趣味で書き始めた短篇小説が、1901年、“ル・ジュルナル”紙に採用され、作家となる。新聞雑誌に発表した数百に及ぶ短篇の多くは恐怖・復讐・死・異常心理を主題としたもので、ポーやヴィリエ・ド・リラダンの系譜を継ぐ残酷物語と評され人気を博した
中川潤[ナカガワジュン]
早稲田大学第一文学部文芸専修卒。個人出版レーベル・エニグマティカ主宰。フランスの怪奇文学や古典探偵小説の翻訳紹介を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価
aaq43410本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
藤月はな(灯れ松明の火)
HANA
くさてる
ハスゴン