白水Uブックス 海外小説永遠の本棚<br> 詐欺師の楽園

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詐欺師の楽園

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  • サイズ B40判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072370
  • NDC分類 943
  • Cコード C0297

出版社内容情報

天才贋作者の華麗なる冒険

 金持ちで蒐集家のおばに引き取られたアントンは15歳で絵を描きはじめた。完成した絵は不謹慎な題材でおばの不興を買ったが、屋敷を訪れたローベルトおじは絵の勉強を続けるよう激励する。実はこのローベルトこそ、バルカン半島の某公国を巻き込み、17世紀バロック絵画の架空の巨匠をでっちあげて、世界中の美術館や蒐集家を手玉に取った天才詐欺師にして贋作画家だった。17歳になったアントンはおじの待つ公国へ向かったが、そこでは予想外の運命が彼を待っていた……。虚構と現実の境界を鋭く軽妙に突く諷刺小説であり、芸術小説でもある本書は、一部の幸福な読者によって秘かに偏愛されてきた。戦後ドイツ文学に異彩を放つゲオルク・ビューヒナー賞作家の知られざる傑作。「これは別格の小説。何故これを書いたのは私ではないのか、考えはじめると口惜しくて夜も眠れない一冊」(佐藤亜紀氏)。

内容説明

金持ちで蒐集家のおばに育てられたアントンは十五歳で絵を描き始めた。完成した絵はおばの不興を買うが、屋敷を訪れたローベルトおじは絵の勉強を続けるよう激励する。実はこのローベルトこそ、バルカン半島の某公国を巻き込み、架空の画聖をでっちあげて世界中の美術館や蒐集家を手玉に取った天才詐欺師にして贋作画家だった。十七歳になったアントンはおじの待つ公国へ向かったが…。虚構と現実の境界を軽妙に突く傑作コミックノヴェル。

著者等紹介

ヒルデスハイマー,ヴォルフガング[ヒルデスハイマー,ヴォルフガング] [Hildesheimer,Wolfgang]
ドイツの作家・劇作家・画家。1916年、ハンブルクのユダヤ人家庭に生まれる。パレスチナとロンドンで家具工芸、室内装飾、絵画、舞台美術等を学び、第二次大戦時にはイギリス軍の将校として情報・宣伝活動に従事、ニュルンベルク裁判では通訳を務める。戦後、ドイツで文筆活動を開始し、戦後派作家の集まり“47年グループ”の一員として、小説、エッセー、戯曲、ラジオドラマ等の分野で活躍。1952年に第一短篇集『愛されぬ伝説』、53年に長篇『詐欺師の楽園』を発表。『眠られぬ夜の旅 テュンセット』(65。邦訳筑摩書房)で作家的地位を確立し、1966年、ゲオルク・ビューヒナー賞を受賞。演劇の分野では不条理演劇の代表者と目された。1991年死去

小島衛[コジママモル]
ドイツ文学者、京都大学名誉教授。1928年、旭川市生まれ。京都大学文学部卒業。北海道大学助教授などを経て、京都大学教養学部教授。92年定年退官。2001年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

62
アヤクス・マズュルカなる架空の画家を作り上げた贋作者の半生をたどる「私」の語りで物語が進みます。その虚構の巨匠の創造譚はもちろん、国境紛争の犠牲者となった悲劇の画家として公には死んでいる「私」の物語も意想外の連続。特に「私」の知らない自身の真作が発見され、贋作の肖像画の子孫が登場しと虚構に虚構が重なる終盤はページを繰る手が止まりません。その狂騒の果ての、マズュルカの作品に感嘆した人々にはその存在は「否定し得ぬことなの」だという感慨は小説という虚構体験の真実の一面を洒落た手法で提示していたように思いました。2023/05/30

星落秋風五丈原

23
善人が誰もいないしこれ全体がほら話といってもいい。でも楽園はいつか崩壊する。2021/10/27

zirou1984

12
若い頃はフィクションの良さがわからなかった。虚構は所詮虚構であり、現実こそが第一なのだと思っていたから。だけど歳を重ねるにつれ自分がリアルと思っていたものの多くは虚構であり、フィクションこそリアルを感じるための導線なのだと気付いていった。人は現実を現実そのままに受け入れられるほど強くないのだと。架空の国家を舞台とした贋作士のピカレスクロマン小説を佐藤亜紀が絶賛するのもよくわかる。語りの力、物語ることの魅力。ペテンにペテンを重ねるその手口は清々しくすらあり、虚構こそが人生を彩るものだと感じさせてくれる。2024/01/06

ぞしま

10
語りが非常に面白く(ギャグセンスもよい)、皮肉がふんだんに効いている。 ストーリーは、壮大で緻密に練られている(はず)なのに、すごいスピードで話がポンポン進んでいく、挿話や人物をバッサリ切り捨ていったりするのが、潔いというか拘泥してない感じがして、心地よいと思う反面、端折られたエピソードが、ものすごぐ面白さや味わい深さを包容していそうなため、読めずに残念という気持ちにもなった。この辺は好みの問題なのかな。 前々から読みたいと思っていた作品で、復刊に感謝。2021/12/10

うた

10
作者の同時期にフェルメールを贋作したハン・フォン・メーヘレンのことを思い出し、ニヤニヤしながら読んだ。絵画の贋作に、架空の国家、歴史、存在しない画家と、嘘に嘘が重なって、あれ?これはどちらだったかとわからなくなりそうな小説。さもあるかのように事物を羅列してみせる手法は、わりとお馴染みではあるが、話の締め方が気が利いていて、痛快である。ジュースキントの『香水』が好きな人は気にいるだろう。2021/12/14

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