白水Uブックス 海外小説永遠の本棚<br> 小悪魔

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小悪魔

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  • サイズ B40判/ページ数 494p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072356
  • NDC分類 983
  • Cコード C0297

出版社内容情報

跳梁する悪魔――ロシア・デカダン派の傑作

 地方小都市の教師ペレドーノフは、町の独身女性から花婿候補ともてはやされていたが、実は出世主義の俗物で、怠惰にして傲岸不遜、生徒の親を唆して子供を笞打たせるのを楽しみにしている最低の男。視学官のポストを求めて画策するが、町の人々が自分を妬み、陰謀を企んでいるという疑心暗鬼に陥り、やがて奇怪な妄想に取り憑かれていく。一方、ギムナジウムの生徒で少女と見紛う美少年サーシャに惚れこんだリュドミラは、無邪気な恋愛遊戯に耽っていたが……。作者が「この小説は巧みに作られた鏡である」と述べているように、ここに描かれた地位に執着し噂に踊らされる人々の姿は、我々自身の似姿でもある。主人公ペレドーノフの名は、ロシア文学において悪徳の代名詞にもなった。20世紀初頭のロシア・デカダン派、象徴主義を代表する作家ソログープが、毒のあるユーモアをまじえて描く頽廃と倒錯の世界。

内容説明

学校教師ペレドーノフは町の独身女性から花婿候補ともてはやされていたが、実は出世主義の俗物で、怠惰かつ傲岸不遜な人物。視学官のポストを求めて奔走するが、町の人々が自分を妬み陰謀を企んでいるという疑心暗鬼に陥り、やがて奇怪な妄想に取り憑かれていく。一方、少女と見紛う美少年サーシャに惚れこんだリュドミラは無邪気な恋愛遊戯に耽っていたが…。ロシア・デカダン派の作家が描く頽廃と倒錯の世界。

著者等紹介

ソログープ,フョードル[ソログープ,フョードル] [Сологуб,Федор]
ロシア象徴主義の詩人・小説家。1863年ペテルブルク生まれ。本名フョードル・クズミッチ・テテールニコフ。師範学校で学び、学校教師として働きながら詩や小説を創作。1896年に第一短篇集『影』と長篇『重苦しい夢』を発表。長篇第二作『小悪魔』(1907)が大成功を収め、以後文筆活動に専念、デカダン派の重要作家としての地位を確立する。象徴的な抒情詩でも名声を博し、「かくれんぼ」「毒の園」「白い母」などの世紀末的な死と幻想のイメージに満ちた短篇でも知られる。十月革命には反対の立場をとり、革命後はボリシェヴィキ政府から冷遇された。1927年死去

青山太郎[アオヤマタロウ]
1938年東京生まれ。ロシア文学者。早稲田大学ロシア文学科卒。同大学院修士課程修了。パリ大学東洋語・東洋文化研究所を経て、九州大学言語文化部教授。2002年定年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

69
『ワイオミング・オハイオ』がマシと思える程、碌な人間が出てこない。人間嫌いの人は読後、より一層、その思想を強めるだろう。主人公ペレドーノフは生徒の素行が悪いと態々、でっち上げる。そして家庭へご注進しにいき、トラブルを播きに行く。誰も信用せず、本人がいない所で悪口を炸裂させる。まさに屑だ。一方で彼は密告と被害妄想に苛まれている。そんなアンバランスさが女性にモテるが、他者を馬鹿にする彼を心の底から愛する者はいない。女性陣が彼の事を只の性欲処理・自分のアクセサリー・揶揄いの相手としか見做していないのが滑稽だ。2021/07/13

HANA

66
革命以前のロシア。教職に就くペレドーノフとその周辺を描いた物語なのだが、これがなかなかにきつい。主人公始め出てくる人間がとことん小市民ぶりを隠す事無く、強気に阿り弱気を挫く俗物ぶりを存分に発揮している。誰も彼もとことん俗で、何となく凡庸な悪という言葉を思い出す。なるほど題名が悪魔ではなく「小」悪魔なのはここから来たのかな。物語が進むにつれ結婚騒動や出世欲の狭間で段々と狂気に飲まれていく主人公やその周囲の人物の俗ぶりにも段々磨きがかかり、仕舞にはロシア小説特有の祝祭空間ぶりも感じられる興味深い一冊であった。2021/07/17

ケイトKATE

34
最初から最後まで、主人公ペレドーノフのゲスっぷりに閉口してしまった。教師であるペレドーノフは、他者に対して見下すことしかできず、教え子の落ち度を保護者に告げ口して、虐待される所を見ては喜ぶという最低人間である。小説にはいわゆる悪人が主人公のものはある。例えばドストエフスキーの小説に登場する悪人は、ある種の魅力はあるが、ペレドーノフは軽薄さばかりが目立ち、魅力的ではなかった。そのためか、周囲の疑心暗鬼から破滅するペレドーノフの姿に自業自得だろと、冷ややかな感情だけが残った。2022/03/28

原玉幸子

22
1907年出版のロシアデカダン派の長編小説は「人間模様をここまで不愉快に切り取るか」と思う作品でした。人は時に妬み嫉み、他人に意地悪したくなるのでしょうが、社会的に集団に関わる中で、笑い仲睦まじく接する中で生きているのに、ルサンチマンの極みが蠢いている、自己投影や人間模様の第三者視点からの描写として小説を味わうとでも言うのでしょうか。冒頭の不愉快との印象から辿れば、歴史的な位置付け以上に作品として堪能すべき点が私には見つからず、ネガティブな感情が邪魔して、読むのに時間が掛かりました。(◎2021年・冬)2021/11/04

nightowl

5
小さな町で陰気な教師がどのようにして狂気に陥るかを淡々と書いた話。サーシャ×リュドミラのカップルが出るまで兎に角閉塞的で読むのにとても難儀した。「地下室の手記」第二部が好きなら嵌るかも?前述作の長さが如何に丁度良いか分かる。2021/07/25

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