出版社内容情報
冴えない中年独身男の前に絶世の美女が現れ、彼の人生は一変する。突然の有名人扱い、異例の大昇進……不可解な幸運の裏には何が?スイスの鬼才が放つブラックコメディ
45歳、内気な独身男アルヒロコスは、大企業の下っ端経理係。酒も煙草もやらないきまじめな彼の世界は、すべてが秩序正しく、道徳的だ。そんな彼が知人の勧めで結婚広告を出したところ、目の覚めるような美女が現れた。以来、人生は一変。慣れぬデートに出かければ、彼が崇拝する各界の名士に次々と遭遇し、面識もない彼にみななぜか親しげに挨拶を送ってくる。出社すれば、どうしたわけか異例の大昇進。元上司たちがショックで卒倒する始末。……降りかかるこの不可解な幸運の裏には一体何が?
本書には、デュレンマットが本来書きたかった結末と、一般読者向けのわかりやすい結末が用意されている。大胆なひねり、人生への深い洞察力には、英語版出版時にあの稀代のストーリーテラー、カート・ヴォネガットも「巧妙で風変わりなスイス時計のよう」と賛辞を寄せている。
フリードリヒ・デュレンマット[デュレンマット]
スイスの劇作家、小説家。1921年、ベルン州エメンタール地方のコノルフィンゲンにプロテスタント牧師の息子として生まれる。ベルン大学とチューリヒ大学で哲学などを専攻。21歳で処女作『クリスマス』を執筆。1945年24歳のときに短篇「老人」が初めて活字となる。翌1946年、最初の戯曲『聖書に曰く』(鳥影社『デュレンマット戯曲集 第1巻』収録)を完成。1940年代末から60年代にかけて発表した喜劇によって劇作家として世界的な名声を博したほか、推理小説『裁判官と死刑執行人』(同タイトルで同学社刊。また早川書房『嫌疑』にも収録)がベストセラーに。1988年、演劇から離れ散文の創作に専念することを発表。晩年は自叙伝『素材』の執筆に打ち込む。1990年、ヌシャテルの自宅で死去。代表作に『老貴婦人の訪問』、『物理学者たち』(以上2作は鳥影社『デュレンマット戯曲集 第2巻』収録)など。
増本 浩子[マスモト ヒロコ]
1960年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科教授。専門はドイツとスイスの現代文学・文化論。著書に『フリードリヒ・デュレンマットの喜劇』(三修社)。訳書に『失脚/巫女の死』(フリードリヒ・デュレンマット、光文社)。共訳書に『ブレヒト 私の愛人』(ルート・ベアラウ、晶文社)、『ドイツの宗教改革』(ペーター・ブリックレ、教文館)、『ハルムスの世界』(ダニイル・ハルムス、ヴィレッジブックス)、『犬の心臓・運命の卵』(ミハイル・ブルガーコフ、新潮社)、『デュレンマット戯曲集』(フリードリヒ・デュレンマット、鳥影社)など。
内容説明
うだつの上がらぬ中年男アルヒロコスが知人の勧めで結婚広告を出したところ、すごい美女が現われた。以来、彼の人生は一変。どこへ行っても重要人物の扱い、前代未聞の大昇進…降りかかるこの不可解な幸運の裏には一体何が?スイスの鬼才が放つブラックコメディ。
著者等紹介
デュレンマット,フリードリヒ[デュレンマット,フリードリヒ] [D¨urrenmatt,Friedrich]
スイスの劇作家、小説家。1921年、ベルン州エメンタール地方のコノルフィンゲンにプロテスタント牧師の息子として生まれる。ベルン大学とチューリヒ大学で哲学などを専攻。21歳で処女作『クリスマス』を執筆。1945年24歳のときに短篇「老人」が初めて活字となる。翌1946年、最初の戯曲『聖書に曰く』を完成。1940年代末から60年代にかけて発表した喜劇によって劇作家として世界的な名声を博したほか、推理小説『裁判官と死刑執行人』(1950‐51)がベストセラーに。1990年、ヌシャテルの自宅で死去
増本浩子[マスモトヒロコ]
1960年生まれ。神戸大学大学院人文学研究科教授。専門はドイツとスイスの現代文学・文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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