白水Uブックス<br> 冬の夜ひとりの旅人が

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冬の夜ひとりの旅人が

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  • サイズ B40判/ページ数 360p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560072073
  • NDC分類 973
  • Cコード C0297

出版社内容情報

書き出しだけで中断され続ける小説を追いかけて世界をめぐる〈男性読者〉と〈女性読者〉の冒険。文学の魔術師による究極の読書小説。文学の魔術師による究極の〈読書〉小説
 あなたはイタロ・カルヴィーノの新作『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。しかしその本は30頁ほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。乱丁本だ。あなたは本屋へ行き交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。あなたが読んでいたのは『冬の夜ひとりの旅人が』ではなく、まったく別の小説だったのだ。書き出しだけで中断されてしまう小説の続きを追って、あなた=〈男性読者〉と〈女性読者〉の探索行が始まる。大学の研究室や出版社を訪ね歩くうちに、この混乱の背後に偽作本を作り続ける翻訳者の存在が浮上するのだが……。
 様々な文体を駆使したメタフィクションの手法を用いて、「あらゆる本を書く」という不可能事に挑み、読書という不思議ないとなみ、その至上の歓びを謳いあげる?文学の魔術師?カルヴィーノによる究極の〈読書〉小説。

イタロ・カルヴィーノ[カルヴィーノ]
1923-1985年。イタリアの作家。キューバで生まれ、2歳の頃イタリアに移住。第2次世界大戦中のパルチザン体験にもとづく長篇『くもの巣の小道』(47)で注目され、『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』の《我々の祖先》三部作(52-59)では奇想に満ちた寓話的世界を創造。『見えない都市』(72)、『宿命の交わる城』(73)、『冬の夜ひとりの旅人が』(79)など、実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。

脇 功[ワキ イサオ]
1936年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了(イタリア文学専攻)。訳書にカルヴィーノ『柔かい月』(河出文庫)、『不在の騎士』『砂のコレクション』(松籟社)、ブッツァーティ『七人の使者・神を見た犬』『タタール人の砂漠』(岩波文庫)など。アリオスト『狂えるオルランド』(名古屋大学出版会)で日本翻訳文化賞、ピーコ・デッラ・ミランドラ賞を受賞。

内容説明

あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。しかしその本は三十頁ほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。乱丁本だ。あなたは本屋へ行き交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。あなたが読んでいたのは『冬の夜ひとりの旅人が』ではなく、まったく別の小説だったのだ…。繰り返し中断され続ける小説を追いかけて世界をめぐる“男性読者”と“女性読者”の冒険。「文学の魔術師」による究極の読書小説。

著者等紹介

カルヴィーノ,イタロ[カルヴィーノ,イタロ] [Calvino,Italo]
1923年、キューバに生まれる。父親はイタリア人の農学者、母親は植物学者。2歳の頃、一家でイタリアのサン・レーモに移住。トリノ大学農学部に進学し、第2次世界大戦中はパルチザンに参加、戦後、その体験をもとに書き上げた長篇第一作『くもの巣の小道』(47)で、ネオレアリズモ小説の旗手として注目される。変幻自在な語りと実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。1985年死去

脇功[ワキイサオ]
1936年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了(イタリア文学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

144
2人称小説というものに興味をひかれて、検索して何となく選んでみた作品。難渋した。ちっとも読み進まない。何しろ「あなた」すなわち読み手たる「私」はある小説を読んでいるのだが、どちらかと言えば読みづらいその小説にようやく慣れて興が乗ってきたところで、突然の中断。落丁だという。私は本屋に文句を言いに行く、そこで出逢う、女性読者に。この後同様に何と9編も小説の「とっかかり」のみ読まされて様々な事情で物語は中断してしまう。辛い。苦しい。それでも何とか最後まで読んだ。当たり前に小説を読み通せる幸せを再認識した本。 2025/02/28

NAO

88
読み始めた話は唐突に途切れる。気になって続きを探す過程が章だてされた項で、次に見つけた話が記されているのだが、それは先に読んだのとは違う新たな話だ。章の項で読み手に語りかけているのはカルヴィーノ自身で、彼の小説を書くことへの認識と方法が記され、カルヴィーノの苦悩を感じる。完結しない10の話の、なんとも不穏で、どこか宙に浮いたような、不思議な感覚は、いかにもカルヴィーノ。2020/08/18

マエダ

83
”あなたはイタロカルビーの新しい小説「冬の夜ひとりの旅人が」を読み始めようとしている。さあくつろいで。精神を集中して・・・”から始まるメタフィクション小説の傑作と呼ばれている本書。最初の章の半分はこの本を読む現実の作業の準備、「あなた」への案内であり、技法としては本当に面白かった。2018/01/28

HANA

68
我々は読者であり登場人物、物語の続きを求めて世界を駆け巡る。本を買ったら落丁続き、書店に問い合わせると別の小説である事がわかり……と作中作は断片から断片へと繋がり、我々もそれを求めて右往左往させられる。二人称で書かれた小説は数多あれど、読書という体験を通じる事によって、読者もまた登場人物であるというメタな造りに成功しているのはこの本以上のものは読んだ事がない。作中作の意味について考えると頭が混乱するから、話として素直に読むのが正解なのかな、コレ。ラストもこの主題として、申し分のない終わり方でありました。2016/11/19

いちろく

52
紹介していただいた本。帯にも書かれている通り、中断され続ける小説を追いかけていく物語。独特な2人称小説という前知識はあったけれど、実際に手にとってページを捲ると印象が変わる。あなた、と紡がれる作品全体の虚構は、物語として提示される事よりも読まれる事を意識したメタフィクションと思え、より一層作中作の中断される10の物語へと誘われやすくなってると感じた。その事が、本を通じた著者と読者の繋がりへと意識するに至る点も興味深かった。私にとって、時間を空けて読むと感想が変わるタイプの物語。紹介感謝! 2018/06/12

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