白水Uブックス
海の上のピアニスト

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  • サイズ B40判/ページ数 153p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560071700
  • NDC分類 973
  • Cコード C0297

内容説明

海の上で生まれ、一度も船を降りたことのなかった天才ピアニストの伝説。彼が弾くのは、いまだかつてこの世に存在せず、ひとたび彼がピアノから離れると、もうどこにも存在しない音楽だった。

著者等紹介

草皆伸子[クサカイノブコ]
1961年生まれ。東京外国語大学卒業。1989‐1995年ナポリ東洋大学講師。イタリア貿易振興会勤務を経て、イタリア総領事館に在職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コジ

26
★★★☆☆ 同盟の舞台演劇(後に映画化)の為に書かれた戯曲的小説。基本的に一人の語り部による独白劇のスタイルでラグタイムやジャズなど音楽が主体となっていので活字で追うだけでは全体的に内容が薄い印象。詳細は舞台の脚本家に膨らませて欲しい意図なのか?となると、本書は映画の視聴前後の予備知識とするか、せめて映画のサントラを手に入れてそれを聞きながら読むのが良いのかもしれない。2020/01/16

kana

22
歌うように軽やかで、ふわりふわりと波間を揺蕩うような物語。映画のイメージが強かったのですが、小説は必要以上の描写は省略した詩的な文章で、お風呂読書の間に読み終えました。湯船に浸かりながら読み終えるなんて、思えば、この物語にぴったりのシチュエーションです。語り手のトランペット吹きとノベチェントが嵐の中、ピアノを滑らせながら音楽を奏でるシーンがとても素敵でした。こういう物語こそ、電子書籍にして、ページをめくると、そのシーンでノべチェントが演奏した音楽が聞こえてくる仕組みにすればいいのになぁと思いました。2011/10/02

pico

17
映画を観た時は、ノヴェチェントの臆病さが理解できず嫌悪すら感じ苦手な作品だったのですが、読んでよかった。変則した舞台脚本という形体はとても興味深いもので、また、言葉がいくつものイメージをつくり揺らぐバリッコ特有の世界を楽しんだ。小説自体がひとつの音楽として成立していると思いました。2009/07/03

Takashi Takeuchi

12
140ページに行の空きもあり2時間ほどで読み終えることができた。新しい場所に行きたい、新しいことをやりたい欲求が強い自分にとって、「有限ー船の中、八十八の鍵盤ーの中に無限を感じる」という主人公ノヴェチェントの考えが新鮮だった。「発想の翼を広げろ」ということを作者は言いたいのかな。ジャズピアニストとの決闘では何がノヴェチェントの心に火をつけたのか?明確に語られないのは読者が自分で感じろ、考えろということですね。読み手に問いかける作品、好きです。公開時から観たいと思いながら未だ観れていない映画版も見なかれば。2022/01/27

鎌倉 幸子

8
帯に「海の上で生まれ、一度も船を降りることのなかった天才ピアニストの伝説」とあり、思わず手に取ってしまった。その伝説は真実?それともフィクション?船を降りる決意をしつつも下りなかった理由。私も、自分の守備範囲は、船と同じくらいの広さなのかもしれない。世界は広がったけど、まずは足元を・・・そんな思いが交差しました。2014/11/16

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