内容説明
人間に傷つけられ、生きる気力も失っていた片目のオオカミは、動物園の片すみでひっそりと生きていた。そこに現れたアフリカ出身のひとりの少年。この限りなく優しい心の少年によって、オオカミは再び生きる力を取り戻す。
著者等紹介
ペナック,ダニエル[ペナック,ダニエル][Pennac,Daniel]
1944年、モロッコのカサブランカに生まれる。高校で国語教師を務めるかたわら、児童文学作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみ
30
生き物の心を夢で満たすことが、現代へのアンチテーゼになる。やさしいやさしい児童書はやさしくない良書2017/11/26
南雲吾朗
21
児童書。ダニエル・ペナックを読んでみようと思って「人喰い鬼のお愉しみ」が届く前に手に入ったため、読了。児童書らしくHappy end. 非常に苦しい環境で生まれ育ったのに、あくまでも元気に前向きに明るく生きるアフリカが素敵である。良い本に出合えて嬉しいです。2017/11/01
Takashi Takeuchi
5
片目を閉じて会話する少年とオオカミ。 少年は常に対峙する動物の気持ちを思いやって接している。それが人間と動物、自然が共生する為に最も大切な事。 子供に向けて読み易く書かれたお話ですが、この世界観に違和感なくすんなり入り込め、 大人が読んでもとてもステキなお話しで一気読みでした。2017/07/31
メイロング
5
すごくすごくいいですね! オオカミを知るために片目を閉じて、互いの瞳からその物語をすくい合う。作者のセンスのよさには、まるで脳天を叩かれたような衝撃さえ走る。長い話じゃないけど、邪魔なものが一切ない透明感も気持ちいい。アフリカとの約束を守る動物たちの気持ちよさ、ラストのオオカミの台詞の気持ちよさ。なにこのデトックス体験。たぶん子供は気がつかない。2014/12/21
fumikaze
3
ますます動物園に行く気がなくなる。狼の連れ合いが死んでしまった話のところでとても悲しくなった。2015/05/20