白水Ｕブックス 真珠の耳飾りの少女

シュヴァリエ，トレイシー【著】〈Ｃｈｅｖａｌｉｅｒ，Ｔｒａｃｙ〉/木下 哲夫【訳】

白水社（2004/04発売）

• サイズ 新書判／ページ数 278p／高さ 18cm
• 商品コード 9784560071465
• NDC分類 933
• Cコード C0297

内容説明

巨匠フェルメールに淡い思いを寄せ、絵画のモデルになった少女フリートの運命は？神秘に包まれた名画の光と影に迫り、世界で２００万部を超えた、ベストセラー恋愛小説。

著者等紹介

シュヴァリエ，トレイシー［シュヴァリエ，トレイシー］［Ｃｈｅｖａｌｉｅｒ，Ｔｒａｃｙ］
処女作‘Ｔｈｅ　Ｖｉｒｇｉｎ　Ｂｌｕｅ’で文学新人賞を射止め、『真珠の耳飾りの少女』が世界で２００万部を超える大ベストセラーになり、実力と人気を兼ね備えた作家として高い評価を受けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[NAO]

かの有名なフェルメールの絵から紡ぎだされた物語は、事実なのかと思うほどリアル。当時の庶民たちの暮らしぶりだけでなく、フリートがフェルメール家に奉公に行くことになった諸事情なども迫真に迫っている。また、フェルメールの他の絵についても、それぞれの絵にまつわるエピソードが記されていておもしろい。淡い恋は多くは語られず、画家の死後は自分の元の世界へと戻っていくフリート。画家の愛は理想であり、ピーテルの愛は現実なのだ。美しい絵から生まれた、美しい物語。

2015/10/24

[ポルトン]

フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」をモチーフにしたフィクション作品。絵のモデルになったフリートの目を通してフェルメールの生きた時代を描く。完全創作な内容だが時代背景や登場人物の描写が細かく、当時のオランダの街並みや絵画の世界に飛び込んだように物語が展開していく！また作品の製作段階でカメラ・オブスクラが登場したりと絵画制作の過程がよく分かる表現も嬉しい。さて、フェルメールとフリートの恋の行方は…

2017/08/20

[コジ]

★★★★☆ 「真珠の耳飾りの少女」のモデルを主人公にした物語(実際はモデルが誰であるかは不明)。主人公のフリートは賢く、芯の強い１７才の少女。奉公先の主であるフェルメールに対して淡い恋心を抱き、過ごす日々が描かれている。物語中のフリートやフェルメールの印象と、実際の 「真珠の耳飾りの少女」を自分が見た時の印象を比較しながら読んだ。フリート目線で淡々と語られる起伏の少ない物語と思っていたが、後半の官能的な雰囲気にちょっと戸惑う。「牛乳を注ぐ女」など他のフェルメール作品も本書に登場している点も興味深く読めた。

2016/04/14

[ねこけし]

これほど美しく叙情的な小説に出会ったことがない。そして史実や実際の絵画に基づいた物語の完成度の高さ。翻訳小説でこの様に思ったことは今までにない。映画も観て、それもまた良かったけれど小説はさらに登場人物たちの描写や当時のデルフトやカトリックとプロテスタントの文化についての知識を補完する。フェルメールが目の前にいて絵を描いている様子が見えてくる。真珠の耳飾りの少女はいったい誰なのか。たくさんの説があることはわかっているけれども、私はフェルメールに惹かれ絵画の美しさに魅せられた1人の少女がいたことを信じたい。

2019/03/04

[星落秋風五丈原]

17世紀のオランダ、デルフト。画家フェルメールの家に奉公に出たフリートは主人への淡い想いを募らせ、ついに絵のモデルになる。しかし二人に非運が。映画化決定。タイル職人だった父親の目が見えなくなり、ヤン一家の１６才の長女フリートは、画家ヨハンネス・フェルメールの家の女中として働くことになった。 フェルメールの家には、フェルメールと妊娠中の妻カタリーナ、そして５人の娘と１人の息子がいたが、家を支配していたのは、家の持ち主でもあるカタリーナの母、マーリア・ティンスだった。 映画化作品。

2007/03/16