白水Uブックス
ダブル/ダブル

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  • サイズ B40判/ページ数 248p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560071052
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0297

出版社内容情報

 「この世のどこかに、あなたと同じ人間がもう一人いる」――ポーの『ウィリアム・ウィルソン』をはじめ、《分身》をテーマにした物語は数多いが、本書は現代の分身小説を集めた世界でも珍しいアンソロジー。収録作家はジョン・バースからポール・ボウルズ、ルース・レンデルまで多彩な顔ぶれ。

内容説明

双子、分身、鏡、影…ドイツロマン派以来、分身をテーマにした物語は数多いが、本書は現代の分身小説を集めた楽しくも恐ろしいアンソロジー。

目次

(ジョージ・D・ペインター)―かれとかれ
(ハンスクリスチャン・アンデルセン)―影
(ルース・レンデル)―分身
(トンマーゾ・ランドルフィ)―ゴーゴリの妻
(ジョン・バース)―陳情書
(ポール・ボウルズ)―あんたはあたしじゃない
(グレアム・グリーン)―被告側の言い分

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

79
容貌や雰囲気は似通っているが、自我とは全く、異なる「もう一人の私」をテーマにした短編集。翻訳はやや、ぎこちないけど、収録されている作品は豪勢とも言うべき作家ばかり。「影」は酸いも甘いも味わいながら人生経験を積んだ影と世間知らずの哲学者との人生における主体/客体の逆転が優しげな口調でシビアに描かれているのは、流石、アンデルセン先生である。ルース・レンデルは普通の人による不倫劇が「ダブル」に纏わる不吉な伝説を絡めることでより、一層の苦さを増す。何故、こんなことになってしまったのだろう・・・。2017/12/05

mii22.

22
分身をテーマにした小説のアンソロジー。読友さんの感想が気になって読んでみました。影、分身、双子、鏡など、二人が一人で、一人が二人の不思議でちょっと怖いお話。自分にそっくりな人間が現れたらどうするだろうと、想像を巡らしながら読むのも面白いけれど、自分を乗っ取られ存在を消されてしまったら、などと考えるとゾッとしてしまう。バラエティーに富んだ内容でなかなか楽しめました。2015/04/12

KI

18
僕が僕ではなくなる瞬間、それが来るのを感じたんだ。2019/02/11

長谷川透

15
「自分とは何か」という自分への問いは、確固たる自分という存在を探る過程の中で複数の自分の発見という元来の意と逆行する結果に至る、というようなことを何かの本で読んだことがあり、僕もこれに同意する。しかし世の中にはこの説を認めない人もいる。勿論、もう一人の自分とは人格レベルのことであって、実体レベルではない。ところがもう一人の自分が実体として目の前に表れた時は、もう一人の自分を認めざるを得ない。不気味であるが、好奇も覚える存在だ。分身の現れ方も多種多様なようで、本書はこのような分身小説の良質のアンソロジーだ。2013/05/30

ふるい

13
20世紀に発表された、《分身》をテーマに書かれた作品が集められたアンソロジー。昔から自分の分身は不吉なものとされてるけど、妙に惹かれるモチーフですね。ポール・ボウルズの「あんたはあたしじゃない」がすごく好み。精神病院(おそらく)から脱走した少女がおまじないしながら姉の家に向かう話。2019/09/15

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