出版社内容情報
【全巻内容】1 灰色のノート/2 少年園/3 美しい季節1/4 美しい季節2/5 診察/6 ラ・ソレリーナ/7 父の死/8 一九一四年夏1/9 一九一四年夏2/10 一九一四年夏3/11 一九一四年夏4/12 エピローグ1/13 エピローグ2
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
75
高村薫の『レディ・ジョーカー』で合田警部がこの本を読んでいたこともあり、ずっと気になっていた。合田はチボー家のジャックとフォンタナン家のダニエルの二人に自分と加納の姿を重ねていたのか、作者が合田・加納の生きざまとジャックの危ういまでの純朴さを重ね合わせようとしたのか。1巻では、まだどこのものともわからない不確定な気持ちやもろさを持つ少年たちの姿が生々しい。2020/05/02
syaori
72
素晴らしい導入。少年二人の家出に絡めて、物語の中心となる二つの家庭と人物たちが読者に紹介されます。カトリックのチボー家とプロテスタントのフォンタナン家。両家の息子のジャックとダニエルの逃避行への対応などから家庭の雰囲気や問題、チボー氏とその長男アントワーヌ、フォンタナン夫人といった人々の人となりを浮き上がらせる作者の筆は丹念で迷いなく、とても軽やか。正反対の二つの家庭、思春期の少年たちの愛と迷い、体面を重んじるがゆえに分かり合えない家族の相克が反響する幕開けには期待しかありません。わくわくしながら次巻へ。2021/01/27
たか
47
全13巻にも及ぶフランス大河小説。ノーベル文学賞受賞作品。 カトリックの富裕なチボー家の子供アントワーヌとジャック、プロテスタントの家庭の子供ダニエルの3人の少年が中心となり、彼らの青春を通じて第一次世界大戦期のヨーロッパにおけるブルジョワ社会や思想状況が描かれている。 文学小説というより教養小説に位置付けられるが、最後まで読み切るのに相当なエネルギーを要する。できれば感受性が豊かな若い時期に、一度は読んでみたい本である。C評価2018/03/13
藤月はな(灯れ松明の火)
37
読友さんの感想がきっかけで着手しました。戦争と人間、信仰を克明に描き出した一家を巡るサーガ、ここに開幕。博愛と隣人愛を尊ぶカトリックを信仰しておりながらもプロテスタントのフォンタナン家を毛嫌いし、俗物的で世間に恥じないような生き方を子供達に強要するチボー氏、優等生の兄アントワーヌ、自由精神を持つが故にチボー家では問題児扱いされる弟ジャック。ジャックがフォンタナン家の兄、ダニエルと友情を育む中、親や神父、教師など偽善者の代名詞がその仲を引き裂く。大人が子供を一人の人間に扱わないと信用がなくなるのは今も同じ。2015/09/14
榊原 香織
32
大河小説13巻の1巻目 パリからマルセーユに家出した二人の少年は14歳。 ブラッドベリにもその年代の子が良く出てくるし。 男14は微妙な年なんでしょう2020/10/07
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