内容説明
ローマに平和をもたらし、「尊厳者」の称号を得た、初代皇帝―アウグストゥスは、人心を掌握する能力に長けていた!本書は、暗殺されたカエサルの養子として突如登場した彼が、慎重な足固めをもとに権勢をのばして、元首政を完成させてゆくさまを、同時代の政治・文学・美術と関連づけながら紹介してゆく。
目次
第1章 準備期間と人心の掌握
第2章 アウグストゥスの元首政
第3章 アウグストゥス時代の文学
第4章 アウグストゥスの世紀の芸術
第5章 アウグストゥスの平和
著者等紹介
北野徹[キタノトオル]
1938年生。1962年東京大学法学部卒。1970~72年フランス留学。TIS(株)取締役、日本ケーブル・アンド・ワイヤレスCSL(株)常務、TIS(株)監査役、(株)TIS東北ソフトウエアエンジニアリング社長を歴任。現在、(有)エクステリア総合研究所社長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TMHR ODR
4
★×2。カエサルからアウグストゥス〜パクス ロマーナについて、それこそwikipediaに載っているようなことを読者が知っていることが前提の内容で、誰にでもオススメは出来ない。しかし、日本語で読めるアウグストゥスについての本がバカ高いか塩野モノしかないんだからしゃーないね。ローマ初代皇帝の業績についてジャンルを分けて解説し、特にラテン文学勃興との政治家として距離感や、如何にして神格化されていったかの経緯が面白い。2016/08/15
すがし
4
「アウグストゥスの世紀」という言葉は、欧米では一種の定型表現になっているという記述に驚かされる。日本ではあくまでカエサルの後継者という位置づけで一般にはそれほど注目されない人物だが、読んでみると確かにその偉大な業績がわかる。ただ文化的な基盤の違いはいかんともしがたく当たり前のように書き流されている事件の、その説明をしてほしかったんだ! という思いをよそにかなり専門的で予備知識を要する高度な内容が続く。はっきり言って自分には荷が重かった。2012/08/18
viola
4
白水社は好きだけれど、文庫クセジュは何を読んでも難しく、面白くないので好きではありませんでしたが、アウグストゥス関連の日本語の本というのがあまりにもないので、そんなことも言ってられず・・・。それなりに知識を身に付けたからか、いつもよりは読みやすいかな。但し、面白くはないです。気になるのが、翻訳時の参考文献に『ローマ人の物語』が挙げられていること。「翻訳時」だからいいかなとは思うけれど、結構専門書でも挙げられていたりするのですねー。いいのかなー。2012/08/04
shou
3
アウグストゥスによる政権奪取からパクス・ロマーナの実現の過程をなぞりつつ、同時代の文学・建築に与えた影響を見る。マエケナスを通じてヴェルギリウスらを後援した背景には元首政のプロパガンダがあり、その土壌で芸術が花開いた結果、諸改革を支えるローマ的精神の復活、神性確立による政権安定へ繋がったという切り口。2013/12/20
刳森伸一
2
アウグストゥスの小伝とアウグストゥスの時代(紀元前44-紀元14)の文学、芸術、政治などをまとめたハンディな解説書。やや分かり辛い記述になっているけど、カエサル亡き後に皇帝まで昇り詰めるところは非常にためになった。文学のところも○。2015/02/08
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