内容説明
子どもの絵を「読む」ためには、どんな基本ルールを知っていたらよいのだろうか?本書は、子どもたちが描く多様な具体例をひきながら、コンピュータ科学など最新の研究成果を踏まえて、発達心理学の観点から解説してゆく。学校教育関係者や子どもの美術教育に関心のある人には必読の一冊。カラー図版多数収録。
目次
第1章 子どもの美術は原始美術?
第2章 子どもの絵を読む
第3章 子どもの絵の発達
第4章 絵の心理学的解釈、絵を用いたテスト
第5章 絵と不適応そして/あるいは異常
第6章 絵と文脈
第7章 絵の力動性
第8章 コンピュータ科学と子どもの絵
著者等紹介
加藤義信[カトウヨシノブ]
1947年生。1974年名古屋大学大学院文学研究科博士課程中退。1983~85年フランス政府給費留学生としてパリ第8大学およびフランス国立健康医学研究所(I.N.S.E.R.M.)に留学。博士(心理学)。愛知県立大学文学部教授
井川真由美[イカワマユミ]
1970年生。1991年同志社女子大学短期大学部英米語科卒
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感想・レビュー
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ぬく
1
「絵を理解する」これは大人でも難解なことであるが、しかし絵は幼い子にとってことばよりも手近なコミュニケーションツールでもあるから「読み解く」ことが必要不可欠。子供との関係性がある大人がその子の絵を読み解ける前提であるようだから、やはり絵だけじゃなくて普段からのコミュニケーションも大事ということ。語れないことも描くことで表現でき、心的不安が解消するのは絵の魅力の一つでもありますよね。 2021/11/29
yuki
1
『言葉を知る前のコミュニケーション』 まだ社会をあまり知らない子どもの絵は、大人の常識からみれば突飛な縮尺や色づかいがなされている。本書では、そこに込められたメッセージについて、臨床実験のデータを元に分析・紹介している。2014/12/08
kaeru-kuro
0
ちょっとおもしろそうかな、と思って読んでみた。フランス人が書いた本を訳してある。直訳的でいささか読みにくい。子どもの絵をどういう風に見たらよいか参考になればと思ったが、今までの研究過程について書かれている感があって、初心者には難しく感じた。2011/12/31