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内容説明
法現象を本質・実体・現象形態という三つの次元に区別した上で、それらを連関づけることにより、その法現象の全体像を理論的に把握しようという、独自の方法論を応用して、所有権や占有権の存在構造を論理的に把握するとともに、両者を区別・連関づけることにより、物権法の基礎理論を展開。
目次
第1章 所有権とはどのような権利か(所有権の論理構造と物件的請求権の位置づけ;物権の排他性と物権の効力に関する従来の学説への疑問)
第2章 所有権に基づく妨害排除請求権(忍容請求権説の批判的検討;行為請求権説の新たな基礎づけ)
第3章 占有権とはどのような権利か(占有権の論理構造(1)占有権の事実性と規範性
占有権と所有権―財産法体系における位置づけ ほか)
終章 所有権や占有権の論理構造を解明する意義
著者等紹介
鷹巣信孝[タカスノブタカ]
昭和15年生まれ。九州大学法学部卒業。同大学院法学研究科修士課程・博士課程修了。博士(法学)。佐賀大学経済学部教授(企業法担当)
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感想・レビュー
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わんぱら
2
所有権と占有権の概念を、当時までの議論をしっかりと踏まえながらも著者独自の方法論で問い直すことによって、所有権理論・占有権利論の体系を提示する本。論文の構成が非常にしっかりしており、検討も緻密かつ明晰。筆者独自の方法論も、きちんと既存の学説批判の中で必要性が示されて応用されており、実際に奏功しているように思われる。部分的に文章がやや錯綜していたり、用語法が明確でない部分もあるが、それを考慮しても上記の評価は変わらない。こういう議論をする人が私法学者にもいるとわかってうれしくなりました。2021/02/16