出版社内容情報
真理と権力との関係を問いの地平とし、西欧思想史の読み直しを一貫して追及した異貌の思想家ミシェル・フーコー。西欧近代の医学、思想、文学、政治、性的言説、等々の諸領域を横断し、制度的思考をラディカルに揺さぶりつづけたその思考の運動を明快に目くばりよく論じた、コンパクトな入門書。
目次
序章 その生涯の軌跡
第1章 人間科学の考古学
第2章 権力と統治性
第3章 主体化の実践
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
15
フランス語が理解できればなぁ・・・。一部最近読んだ「人が人を裁くということ」につながるであろう文脈になった。当然興味も増すわけで・・・フーコーの著作をそろそろ読みたいけれど、高価いのですよね。2012/01/24
白義
10
ページ数を考えると驚くほどコンパクトにまとまったフーコーの入門書。初期の権力研究から後期の主体化論まで、概観を得るには特に素晴らしい。狂気、文学、人間といった概念の系譜と地層、それらを作り出した権力のネットワークを丹念に探る初期フーコーから、権力すらを利用し、快楽のコントロールやストイックな自己への配慮、危険を顧みず真理を語る勇気などといった実存・主体の美学の探求まで、各研究の繋がりや要点が物凄く分かりやすく詰まっている。中山元にも並ぶ分かりやすいフーコー入門のスタンダードとして活用出来るだろう2011/10/26
うえ
7
良書。「18世紀末に刑法理論がこうむる大いなる変容を考慮するならば、監獄をめぐる謎はいっそう深まる。ベッカリアやブリソの著作に見いだされるのは、道徳的な過誤や宗教的罪過をまったく引き合いにだすことなく、犯罪とは市民社会の法を侵犯し、破壊するものであるとする新たな定義である」「契約の理論の進展、および人民主権の観念により、犯罪は君主の身体への物理的侵害としてではなく、社会契約の破棄として考えられるようになった。この結果、刑罰は一時的に損害をこうむった社会的利益を公的かつ教訓的な仕方で回復するものと」なった2017/04/05
植岡藍
4
フーコー・スターターパックとしてすばらしい1冊と思う。といいつつ理解できたかというとそうではないのでまた再読をしていきたい。狂気、監獄、主体など個々のテーマが興味深く、掘り下げて理解したと思った。2020/09/26
zk
1
かなーりためになる 良い本でした2019/10/15