感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
12
シャトーブリアンを専門に研究する著者が、ロマン主義から象徴主義までの19世紀フランス詩を、ラマルチーヌやユゴー、ルコント・ド・リール、ボードレール、ランボー、マラルメなど詩人ごとに解説した本。ユゴーらロマン派の詩人は個人主義に基礎を置きながらまったく利己的なところをもたず「彼らが作品の中で獲得した自由は、・・語らぬ人々の解放、詩の言葉の才能にめぐまれぬひとびとの解放に役立つべきであるという信念を持っていた」ー民衆の声となるー詩人の使命の自覚に感銘を受けた。また詩には、損なわれた人間性を回復する力がある。2025/07/16