出版社内容情報
蛮族、すなわち当時の文明世界たるローマ世界の勢力の外にあり不可解な言葉を話す人びとであったゲルマン諸部族は、四~六世紀にローマ世界への移動を行なった。この大移動時代は、ローマとゲルマン的要素との出会いを導き、長い動乱の時期を経て西欧世界が形成されるための産みの苦しみの時代でもあった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
讃壽鐵朗
3
初めての地名、人名などが多く、不勉強を思い知らされたしまった2015/03/14
xin
3
「ゲルマン民族大移動」という名のみ知られているがその細かな経緯については知ることがなかった出来事。それをこの一冊でとりあえず全般的な概略だけにせよ押さえられる点が貴重。ヨーロッパの形成はキリスト教を触媒にして古代地中海世界とゲルマンの「蛮族」の融合から始まったと考えるなら、その開始地点はロマンス語地域が産まれたガリアとイベリアにしかありえなかったのだろうか。イベリアはその後サラセンによる征服を受けるので結局フランクだけが「ヨーロッパ」の親だということなのか。著者はフランス人だということもあるが深い問題だ。2014/09/14