出版社内容情報
現代の知的関心と話題の中心となって久しい記号学を包括的な形で紹介する。星占いから神話の人類学的構造にいたるまでの現代のすべての文化事象にひそむ記号性を捉え、その意味作用とコミュニケーション構造を分析する。構造言語学的視野を超えた現代記号学の格好の概説書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウリツィウス
12
【『記号論』の意味論】記号論集成においてテクストの導入とは20世紀以降の現代文学を読解していく必然ツールだが同時にスコラ期の学術論を自在展開する新しい見解の層をも意味している。エーコ、ロラン・バルト、プロップの提起した物語記号論釈義は聖書適宜解釈論にも十分に援用可能であり記号と意味と表象とは「バベルの言葉」人類普遍言語の再参照をも含める。仮想言語構築の有益はエーコが提示した通り、この知的遺産は虚構論として確立する。薔薇の名前はその本質成果を膨大テクスト引用で表現した軌跡であり典型として詩学/聖書を示した。2013/05/20
∃.狂茶党
2
人名や、書籍の翻訳タイトルが、こんにち知られているものと違っているが、ひとが関わるすべてに、意味が生じる以上、すべては記号学の範疇とばかりに、幅広い題材が扱われている。 作者の専門分野だけ、熱量が上がってるような気もしますが、整理される前の混沌が、短いページ数に詰まっています。 情報が売り買いされ通貨として流通することも、記号と意味の作用です。 社会と人類を構成するのも、記号の力。 クセジュ(「我何をか知る」)は、視野の広さのコンパクトさから新書の理想的なスタイルを示していると思う。2021/06/24
susu
0
言語学的なところは理解できましたが、それ以外の所はなんとなくこじつけくさい気がしてしまいました。詩的な表現はコード性も社会性も弱いがために、受信者に解釈がゆだねられるというのはよく理解できました。プロレスはスポーツではないというのは、昔英文学の授業で聞いた気がします…。2014/02/02
tendo
0
我々は、無意識のうちに、その裏側にある記号(企業側の意図)を 読み取り、さまざまなイメージを持たされたりしているようです。 この本を読むと、そういった企業側の意図が少しだけ見えたりします。 広告に限らず、世の中の視野をちょっとだけ広げてくれる本です。 広告に携わるお仕事をしている方にお勧めです。2008/10/16