出版社内容情報
ヨーロッパの形成がカエサルのガリヤ征服によって西欧をローマ共和国に加えた時以来緒についたものとすれば、ローマ・カトリック教会の権勢の絶頂期の十字軍の東方遠征はヨーロッパの成熟を意味する。著者は十字軍を最初の植民地活動であるとし、回教とキリスト教の対抗を歴史的に跡づける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Saiid al-Halawi
5
54年初版。旧字体。完全な形で敷かれた土地に基づく封建制が現地の実力を着実に削いでった。といりあえず仲間割れした方が負ける。2012/10/18
ひなた
3
★4 十字軍を西欧最初の植民地活動と位置付け、その動機と経緯、失敗の原因を明らかにする。先に読んだ橋口氏の著作が厳密な十字軍に絞られているのに対して、こちらは時代的にも地域的にも広く取り上げられており、入門書として入りやすい。中世地中海世界が如何にして形成されていったのか多少なりと理解できたように思う。論旨も明快でわかりやすい。ただ古い本なので、旧漢字なのが私には辛かった。2015/02/25