出版社内容情報
芸術の華開いたイタリアの一四世紀から一六世紀にかけては、色彩のシンボリズム解釈がもっとも活発におこなわれた時代でもあった。当時の染色マニュアルや衣裳目録などの一次史料から染色技術の実態と服飾全般に関する社会的・経済的・政治的状況を、文学作品や絵画作品、さらにはエンブレム文献から、赤、青、黄、黒、緑、ポルポラといった多彩な色彩と衣裳によせた人びとの想いを読みとり、色彩の魔力を明らかにする画期的エッセイ。
プロログス 色彩の邦より
第1章 至高の色 赤
プッチョ・プッチの財産目録
貴族の着道楽
貴族の魂
いかにして赤く染めるか
赤への憧憬──ルカ・ランドゥッチの日記から
「僧院の木箱に」──レオナルド・ダ・ヴィンチの着こなし
赤のシンボリズム
第2章 不在の色 青
語られぬ青
卑賤の色
笑話のなかの青衣
「高尚なる思索」
曖昧な青の概念
第3章 「異端の色」か「希望の色」か 黄
忌まれる黄
姿を変えた黄
「金色」それとも「黄色」?
古の記憶
第4章 「死の色」から「高貴な色」へ 黒
黒の昇格
弔いの人びと
恋する寡婦─クリセイダ─
「気品ある黒服」
第5章 大団円の色 緑
文無し緑
「高貴さに欠ける色」?
祝祭的気分
再生
恋心
〈賢明〉の緑衣
第6章 気紛れな色 ポルポラ
ポルポラの終焉
「ポルポラ」とは何色か
ポルポラを着るウェヌス
エピログス 色彩の迷宮
原 註
参考文献一覧
あとがき
内容説明
ルネサンスの生を彩る赤、青、黄、黒、緑、ポルポラ。絵画に、詩歌に、そして衣裳に映える色彩のポリフォニー。
目次
プロログス 色彩の邦より
第1章 至高の色・赤
第2章 不在の色・青
第3章 「異端の色」か「希望の色」か・黄
第4章 「死の色」から「高貴な色」へ・黒
第5章 大団円の色・緑
第6章 気紛れな色・ポルポラ
エピログス 色彩の迷宮
著者等紹介
伊藤亜紀[イトウアキ]
お茶の水女子大学生活科学部助手
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