出版社内容情報
現代英米文学の様々な局面を主にロマン主義以後の風景志向という視点から眺め、ワーズワス、ペイター、ナボコフ等の読み直しを迫る好エッセイ。
内容説明
風景が文学の中に積極的に取り込まれるのは、イギリスにおいては近代以降のことである。本書は現代英米文学のさまざまな局面を、風景志向という視点から論じたユニークな文学エッセイである。ワーズワス、ペイターからパウンド、ナボコフ、ダレル、ファウルズ、ベケットなどの見直しに迫る前衛的な試み。
目次
風景の詩学―ワーズワス『序曲』について
隠喩としての音楽―ペイターの風景
コラージュの風景―『詩章』のために
音楽と神話―パウンドを中心に
言葉と物―アメリカ現代詩瞥見
モナ・リザのあと―詩と散文のあいだ
極限のトポグラフィ―『ワット』について
批評性と物語―ポスト・モダニズムの小説
記憶への架橋―『ロリータ』をめぐって
同一性を求めて―『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』論
夢の手法―ナボコフとドストエフスキー
注釈と脱線―ナボコフからスウィフトへ
虚構のトポス―ナボコフとボルヘス