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内容説明
焼失のキャンバスから浮かび上がるむせかえるような生命の叫びと身もだえするような性へのおののき。
著者等紹介
窪島誠一郎[クボシマセイイチロウ]
1941年東京生まれ。印刷工、酒場経営などへて1964年東京世田谷に小劇場の草分け「キッド・アイラック・アート・ホール」を設立。1979年長野県上田市に夭折画家の素描を展示する「信濃デッサン館」を創設、1997年隣接地に戦没画学生慰霊美術館「無言館」を開設。著書に「無言館ものがたり」(第46回産経児童出版文化賞受賞・講談社)、「鼎と槐多」(第14回地方出版文化功労賞受賞・信濃毎日新聞社)など約四十冊がある
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感想・レビュー
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gtn
25
荒ぶる魂を、己の劣情さえもキャンバスに叩きつけた高間筆子。激情は留まるところ知らず、最期はスペイン風邪に冒され、正気を失い、生家二階の障子窓を突き破って転落。21歳という短い生涯を閉じる。幸不幸の二股があれば、敢えて不幸の道を選択し続けた人生。だが、それは彼女の尺度にはなかろう。悲劇が潜んでいようが、自らの信じる道を選択し、ペース配分も考えず駆け抜けた結果、後世に残像を焼き付けることができた。2022/04/02
浮舟りつ
1
萬鉄五郎をはじめ、多くの人を驚嘆させた筆子の作品は、現在ただの1点も存在しない。 関東大震災、東京大空襲。 この二つの大きな悲劇は、東京下町にあった丸惣を壊滅させた。そして筆子の絵もそこで喪失したのである。 私たちが筆子の絵を知るには、筆子の死を悼み発行された「高間筆子詩画集」に残るのみ。 しかし、それも1度再版されたものの、現在は絶版。 手に入れることは至難である。 高間筆子。 幻の天才画家と浪漫を求めるだけには惜しい。 ある日突然、お宝発掘なんてことはないだろうか。2017/04/19