内容説明
若きシュルレアリストたちが「性」を語り合った討議録「演劇的な面白さ」に満ちた一級資料。
目次
性についての探究(一九二八年一月二十七日;一九二八年一月三十一日;一九二八年二月一日から十四日;一九二八年二月十五日;一九二八年二月七日、十七日ないし二十七日;一九二八年三月三日;一九二八年五月六日;一九三〇年十一月初め;一九三〇年十一月二十四日;一九三〇年十一月二十六日 ほか)
付録
著者等紹介
野崎歓[ノザキカン]
1959年生。東京大学総合文化研究科助教授。フランス文学専攻
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感想・レビュー
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三柴ゆよし
23
アンドレ・ブルトン率いるシュルレアリスト軍団が行った性に関する議論というからには、なにかこう高尚で抽象的なものを想像するのはごく自然なことだと思う。おれもそう思った。でも読んでみると、「おまえら一晩で最高何回やったの?」「おれ四回」「おれは十一回かな」「バロスwww」みたいな男子会レベルの話題が意外に多くてワロリーヌ。愛に関してはおそろしく潔癖なブルトン、それを取って喰いそうな勢いのアラゴン、絶望的なペシミズムを発揮してみなを困惑させるクノーといった参加メンバーの性格が手に取るようにわかるのもおかしい。2012/08/12
Tamura Hiroyuki
2
アンドレ・ブルトン「男には玉二つのあいだに棹があるのに、女の乳房のあいだにはどうして何もないのだろう?」 ヴァランタン「答えようのない質問だな」 本書は、こんな討論が延々と続く、シュールレアリストであるアンドレ・ブルトンがおよそ4年の間に12回にわたって催した会の記録書である。 何かを究めんとする人はおかしい。真面目であればあるほどに。 実際、常識や日常生活から逸脱していなければ究めることはできないわけで、歴史に名が残っている人たちなんてのは極みの最たる方々のわけだからほとんど頭がおかしい。 それが70年2012/01/31
蝶子
1
どこまでが本当で、どこまでが嘘か、わからない。と、思うのはこの会合がシュルレアリスト達の作った物だからで、これがダダの集まりなら本気でわけわからないで終わるんだろうなぁ。付録部分は軽く目を通して終わった。2011/11/17
左手爆弾
0
「エクストリーム猥談」みたいな感じ。当時のインテリ集団がものすごいスピード感で「性」について議論する。内容自体は「修学旅行の夜」とそう変わらないかもしれないが、きちんと議論になるように問いを正しく立てたり、問題を切り分けて論じたりしている。どこかプラトンの対話篇やトマス・アクィナスの議論を思い起こさせる。その点が、ただの猥談とは違う。意見は参加者それぞれによってかなり多様性があるが、軸にあるのは道徳や倫理とは関係なく、自分自身が惹かれるエロスの体験を提示することにあるのだろう。面白い。2016/05/20
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