内容説明
イギリスに引っ越した可愛らしい夢想家、九歳のアメリカ人少女ノリーが、小学校ではイジメ屋をやっつけ、家では長い長いお話を作る。作家が自分の娘をモデルに描いた愉快な「少女小説」。
著者等紹介
岸本佐知子[キシモトサチコ]
1960年生。上智大学文学部英文科卒。アメリカ文学専攻
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感想・レビュー
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ののまる
14
この子(ノリー、9歳)、すっごい健全な子だ!!岸本さんの訳いいなあ。2015/04/27
りつこ
8
ぐるぐるぐるぐると終わらない物語を作り続けるノリーがとても健気でかわいい。想像力が豊かだから、相手の気持ちにも気付くことができるし、人一倍「こわいこと」も多いんだよね。それだけにまわりのオトナがちゃんとそれに気付いてあげられているのが素敵だ。ただ最初から最後まで「こども目線」で書かれているからこそ、苦い部分が少なかったっていうところに、少し物足りなさも残った。2011/10/07
けいと
6
ノリー、可愛いな~。想像力があって好奇心があって。理想の娘だな。苛められっ子の事もノリー独特の想像力の翼を広げて世界を良い方向へと変えていく。物語って人生の辛さを和らげてくれるものだよね。。2011/09/24
きゅー
6
ニコルソン・ベイカーという名前を聞くと、『もしもし』や『フェルマータ』といった、かなりイヤラシい小説を思い浮かべる人もいるでしょうが、この小説はそういう要素はないので安心して読めます(苦笑)とにかくこの人くらい微細なものに執着する人はいないのでは。『中二階』でみせた偏執狂的なこだわりが、今作では、子どもの視線だったら世界がどう見えるのかという所に見られます。ノリーの言動が、あたかも訳者岸本さんの言動に思えてくるシンクロ率もすごい。
アルクシ・ガイ
5
読者の心情にピタリと寄り添ってくれる翻訳物って、なかなか無い。やはり国が違えば国民の落とし所も違うからだろう。その点、ベイカーは優れものだ。いや、もしかしたら、人間の考えることなんて案外どこの国でも大差なくて、著者は「切り出し方」が異常に上手いだけなのかもしれない。2021/02/19