ケンタウロス (新装復刊)

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560047378
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

現代アメリカの文豪がギリシア神話を下敷きに自らの故郷の人間模様を描く自伝的小説。作家の父親をモデルにした高校教師の独特の生き方がユーモアとエロチシズムをまじえて語られる。

内容説明

ギリシア神話を下じきに、田舎町の高校教師の悲喜劇がノスタルジーとエロチシズム豊かに語られる。現代アメリカの文豪による自伝的小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

若布酒まちゃひこ/びんた

33
目に見えるもの、そして見えないものの欠落にについてたくさん語られた小説だった。その欠落を身体的な問題として処理するというやりかたは古典的(悪い意味での古臭さを伴う)なのだけど、そのコンプレックスがとおい時間、とおい場所を歩く足になる。車という文明を失い、自らの足を進化させる「足の小説」だとおもった。2017/02/09

長谷川透

19
教師としての舞い方の理想と、それを演じる上で生じる苦悩。在るが儘の自己を抑圧し社会的身分相応の自分を演じるのは、日本人も欧米人も同じである。しかし、自己とは統合されていて然るべきで複数の人格を持ち合わせることに違和を覚えることが、日本人に較べ欧米人は圧倒的に多いそうだ。解離性障害の発症率がそれを裏付けている。だからアメリカ人の苦悩をケンタウロスの神話に託して描くという手法はなるほどと感心した。また、苦悩する父親の下での少年の成長記としても読め、クライマックスにおいての神話との完璧な同期には驚いた。お見事!2013/12/14

田中

16
「ノルウェイの森・上巻」(村上春樹著)にこんな記述があります。「18歳の年の僕にとって最高の書物はジョン・アップダイクのケンタウロスだったが、、、」僕は昔この一節を読んでいつか読んでみたいと思っていた本です。冴えない教師の父親とその息子が、人々を省察したノスタルジー。機知に富んだ会話や細部まで巧みな比喩は華麗です。神話と結びつく描写は想念の世界のようでした。全編に漂う父親の不器用な誠実さと哀愁。村上春樹がアップダイクからとても影響を受けたと感じました。1964年全米図書賞。2016/10/22

ソングライン

15
古代ギリシア神話の中のケンタウロス族の一人、ケイロン。一族のため不死身の命を犠牲にしようとするケイロン。作中に挿入されるギリシア神話。終戦直後のペンシルバニア州の田舎街オリンガーで教師をするコールドウェルは、生徒たちにからかわれ、校長に厳しく管理され、自分の未来を諦め家族、息子のためにただ働いています。車が故障し、雪に埋もれた2日間、息子ピーターと共に過ごすコールドウェル。体の不調のため、検査を受けたコールドウェルの運命はケイロンと同じなのか。憎めないコールドウェルと頼もしい息子ピータ―の物語です。2020/12/19

ひと

3
「ノルウェーの森」の主人公ワタナベ君が18歳で「グレートギャッツビー」を読むまでまで最高の書物だと言っていた本。教員の父と同じ学校に通う息子の日常を描いた作品。やたらギリシャ神話が現実のなかに入ってくるので、どちらの話しか混乱しましが、1960年代のアメリカの日常を知れたような気がしました。2025/03/01

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