出版社内容情報
「親殺し」「両親の冒涜」などさまざまな視点からプルーストの生涯をたどり、彼がいかにして「母親の愛を断ち切り、作家になる」という究極の選択をしたのかを探る、独創的エセー。
【編集者よりひとこと】
母親との異様ともいえる深いつながりは有名だが、代表作だけでなく、初期作品・書簡まで隈なく精査して、その関係にこだわった本は他にない。本書は、「なにげない表現や挿話の背後に、深く隠された秘密の水脈を探り当てようとする気迫を感じさせ、私たちを知の冒険へと誘ってくれる」(「訳者あとがき」)極上のエッセーである。
内容説明
いかにして母親の愛を断ち切り、作家になったか。プルーストの心性と小説の世界を並行的に読み解く冒険的エッセー。
目次
レ・ズーブリの庭
からっぽの寝室
書くのに長くかかる
幸運な陰のなかで
夜は続く
うわの空
涙からの解放
半過去のやさしさ
大きなおおかみさん
私は私ではない〔ほか〕
著者等紹介
吉田城[ヨシダジョウ]
1950年生れ。東京大学大学院博士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授
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