出版社内容情報
人間に傷つけられ、生きる気力も失っていた片目のオオカミは、限りなく優しい心の少年によって再び生きる力を取り戻す。人間と動物との共生、未来への希望を託す、愛と感動の物語。
内容説明
傷ついたオオカミの心をいやす少年の瞳。人間と動物との共生、未来への希望をこめた、愛と友情の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
46
動物園にいる一匹の片目のオオカミと、その檻の前に毎日現れてオオカミを見つめる少年。ふたりはそれぞれの瞳の中で、これまで体験してきた悲しい思い出を語り合う。オオカミの話は特に切なく胸に迫るが、思ったより寓話的な作風で好みが分かれると思います。現代社会を風刺しながらも、普遍的な愛情が描かれていて、何度か読み返すといいかもしれません。2017/04/25
lovemys
10
ファンタジーのような不思議さがありながら、人間の傍若無人な行いをさらりと描き、とても哲学的。スパンコールのように美しいオオカミを執拗に追うけれど、輝きがなくなったらパタと見向きもしなくなったり。人間が欲に支配されている様子がさり気なく描かれている。一部の人たちの欲のために、今までの環境で暮らせなくなった人々や動物たちがたくさんいるのだな。そのことを改めて心に刻みたい。動物の目を通した物語が想像できるような人間になりたい。2023/08/02
あお
10
児童文学のベストセラー本。とてもいいお話でした。少年とオオカミが互いの眼の中で物語を読ませるという手法は映画と相性がいいと思いましたが、調べると映画化には至っていない。実写は難しいですが、アニメ映画、例えばピクサーとかディズニーとかにやってもらいたいな。子供から大人まで楽しめて、メッセージ性の強いストーリー。この小説はこれからも読まれ続けるでしょう。2014/07/09
ムーミン2号
9
捉えられ、動物園に入れられた青いオオカミは人間との格闘で片目になっている。彼をジッと見続ける少年にオオカミはイラ立ち、無視しようとしながらそれも叶わず、結局少年が自ら片目を閉じた時に、眼と眼でお互いのことを語り始める。その語りの中にはアフリカの貧困、自然破壊、先進国の優位と野性の敗北などが無理なくギュギュっと詰め込まれていて、自然と思考がそちらに向いてしまう。そんな物語を紡ぎ出したペナックさんはお見事。2023/11/12
redbaron
5
生きていくのに何が大切なのか…2014/10/19
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