出版社内容情報
家族という大河の流れのなかでくりひろげられる激しくも淡々とした貴族の日常生活を、膨大な書簡を通して再構成し、イタリア統一の波乱の時代を生きた、文豪マンゾーニとその家族の生涯を描く。『ミラノ霧の風景』の著者が、秀麗な訳にて贈る現代イタリア文学の傑作長編。
内容説明
イタリア統一の波乱の時代を生きた文豪マンゾーニとその家族の生涯を、膨大な書簡を通して事実が自ら語るにまかせて描く。『ミラノ霧の風景』の著者が、秀麗な訳にて贈る現代イタリア文学の傑作長編。
目次
第1部 1762‐1836年(ジュリア・ベッカリア;エンリケッタ・ブロンデル;フォリエル;ジュリエッタ)
第2部―1836年‐1907年(テレーサ・ボッリ;ヴィットリア;マティルデ;ステファノ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
50
『いいなづけ』を書いたイタリアの国民的作家アレッサンドロ・マンゾーニの家族および友人たちが記した手紙をもとに、作家と家族の人物像を浮かび上がらせている。マンゾーニの作品やその時代の文学的背景に関する記述は少なく、金銭問題、家族の病気、家族間の軋轢についての悩みや不安といった内容が多い。母に先立たれた子どもたちのことを顧みようともしない再婚してからのマンゾーニには、はっきり言って幻滅。自身が両親の愛を受けていないため、彼には父親としての役割が分かってはいなかったようだ。『いいなづけ』も、父親不在の話だし。2016/01/28
ユカ
1
これは・・・マンゾーニのファンにはたまらない本。私は残念ながらマンゾーニはあまり知らなくて、須賀敦子さんが好きでこの本にたどり着いたのですが、例えば「須賀家の人々」なんてのがあったら即買いですね。手紙から当時の生活やらその時代の常識やらが見えて面白い。しかし蛭療法とは。うげー。2012/02/11
ご〜ちゃん
0
手紙で、ずいぶんコミュニケーションをとっているということが、よく分かった。 金銭問題は、読んでいて辛くなる。2024/06/16
astrokt2
0
決して面白く読める本ではないです。 病気の経過、金の無心、返事をくれない親友への哀願 etc... という手紙のやりとりがひたすら続く、この長い本をどうやって読み切ることができたのでしょうか。2009/05/31