出版社内容情報
ベルリンの壁が崩壊したあの夜、作家の俺は名のない女に殺された。ナイフで喉をズバッと。俺は〈眼〉と化し、刻々と腐乱してゆく俺の肉体を観察すると同時に、街を徘徊する女を追っていった。幾多の文学賞に輝く大器が究極の合一=愛を求める男女とドイツの苦悩を、官能的かつ斬新に描く野心作。
内容説明
ベルリンの壁崩壊の夜、名のない女に殺された作家の俺は眼と化し、街に出た女を追った…。ムージル『特性のない男』、デーブリーン『ベルリン・アレクサンダー広場』、カフカ『流刑地にて』、ベン『屍体公示所』、グラス『犬の年』、ワーグナー『パルジファル』、エーコ『フーコーの振り子』、プラトン『饗宴』―多数の引用による仕掛けと冷徹な描写力とが、究極の合一「愛」を求める男女とドイツの苦悩を描き出す。ヴァルザー賞、バッハマン奨励賞、クルチウス奨励賞等に輝く鬼才の野心作。




