出版社内容情報
白雪姫は鏡、継母は女怪メドゥーサであり、シンデレラは元々1本足であった! 言語の森の錬金術師グリム兄弟が個々の童話に秘めた内在論理を解明することにより、著者はそのダイナミックな組立て、思考の凄さ、闇と光を示し、読者を驚異の冥府へと誘う。従来のグリム観を一変させる新たなる読み。
内容説明
白雪姫は鏡、継母は女怪メドゥーサであり、シンデレラは元々一本足であった!言語の森の錬金術師グリム兄弟が個々の童話に秘めた内在論理を解明することにより、著者はそのダイナミックな組立て、思考の凄さ、闇と光を示し、読者を驚異の冥府へと誘う。従来のグリム観を一変させる新たなる読み。
目次
第1章 反復するグリム(呪いの七;メドゥーサ退治 ほか)
第2章 予選と決勝の二段階構成(「3の3」シンメトリー;眼球譚シンメトリー ほか)
第3章 下降と上昇(V字プロセス;グリム童話は冥府行 ほか)
第4章 異界への扉を開く(足がおかしい;古代跛行めぐり ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨシツネ
1
可能性が高い研究だと思う グリム童話の隠喩については研究者が少ないというか、小澤しかいないと思う状況のため、この方向から新たな解釈を導き出せるのでは2018/05/11
kana
1
なるほどと思う部分と強引だなと思う部分と。2008/08/15
瞬
0
「本当は怖い~」を読んで面白いと思った人は興味を惹かれるかもしれない(読んだことないけど)。。やや強引な印象がある部分もあるが、構造から語られていて面白く、グリムが「改竄」した理由というのも単に「ドイツ民族固有の文学」と謳うためだけでないのがわかる。呪いの七や冥府下り、足萎えのモチーフなどと続くに連れ、より一層こうした童話や神話の構造やモチーフについて知りたくなってくる。2012/07/11
鳩羽
0
呪いのように禍々しく繰り返される七、反復にはどんな意味があるのか。表層的なアプローチと深層的なアプローチの両方からグリム童話を解釈した本。グリム兄弟が改稿で付け加えたものから、どんな童話の構造を考えていたのかが見えてきて面白く、グリム童話とは対称性や構造にこだわる西洋的な思想の上に作られた「作品」なんだなという感じ。神話における冥府下りを、もっと身近で娯楽的にしたのがおとぎ話だったんだろうか。2010/11/19
-
- 和書
- それでも選挙に行く理由