出版社内容情報
ロデーズの精神病院に収容されたアルトーは、身体を基軸として、西欧の歴史・神・言葉・国家について批判的な思考を手紙に書き記す。フランス現代思想に多く示唆を与えたアルトーの「狂気との対決」、その熱く生なましい言葉の片鱗がついに解凍される。晩年のアルトーの思考を知るうえで最も重要な書簡集。
内容説明
1943~46年、ロデーズの精神病院に収容されたアルトーは、自らの身体を戦場として、西欧の歴史・国家・言葉・神…と闘いつづけた。幾度となく電気ショック療法を受けつつも鍛えられてゆくアルトーの思考。類いまれなるネルヴァル論をも導く「狂気との対決」。その熱く生なましい言葉が、ついに解凍される。晩年のアルトーを知るうえで最も重要な書簡集。
目次
ジャック・ラトレモリエール博士宛
フレデリック・ドゥラングラード宛
ガストン・フェルディエール博士宛
ジャン=ルイ・バロー宛
フレデリック・ドゥラングラード宛
フレデリック・ドゥラングラード宛
クロード=アンドレ・ピュジェ宛
ジャック・ラトレモリエール博士宛
ジャック・ラトレモリエール博士宛
ジャン・ポーラン宛〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兎乃
31
『Les Chimeres (邦題:幻想詩編』中のアンテロス(=エロスの双子兄弟にして、恋の復讐をする神)、ネルヴァルはこれに 反エロス/神秘的反逆者/愛されざるもの”の意を強調し、“アンタイオス種族の出”として、後の作品に直結させる。ロデーズ精神病院に収監されたアルトーは この詩句について“発声法”を根拠とする。全く同意だ。語りえないものを語るとき 人々は狂気という簡単な烙印で封印してしまう。その行為は半熟の狂気でしかない。アルトーの芸術に深い理解を示した主任医師ガストン・フェルディエール博士に敬意を。2015/07/28
₭€₦ ㉿θЇ¢ħɨ฿ᾶr₳
0
「追伸ー踊ること、それは神話に耐えること、したがって、現実で神話を置換することです。」2021/06/21